1.訪問看護のオンライン資格確認とは?
オンライン資格確認は、患者の資格情報を、マイナンバーカードを活用して確認できることを指します。病院や薬局などの医療機関では令和5年からすでに導入されており、窓口で患者の資格情報をすぐに確認できるようになりました。
オンライン資格確認の導入により、保険情報の不備による返戻などを減少できる効果が期待できます。また、保険情報の登録も電子カルテと連携させることで自動化でき、業務を効率化できることもメリットです。
訪問看護で導入される場合、モバイル端末を使って利用者のマイナンバーカードから資格情報などを取得・確認します。この情報は、訪問看護ステーションでも共有でき、さらに利用者から同意を得られれば、診療・薬剤情報や特定健診の情報なども確認することが可能です。
訪問看護のオンライン資格確認は令和6年6月から開始
医療機関などですでに導入されているオンライン資格確認ですが、訪問看護の場合は令和6年(2024年)6月から開始となります。なお、オンライン請求も開始される予定で、こちらは令和6年7月請求分からです。
オンライン資格確認が開始された場合、業務内容にもさまざまな変化が起こります。たとえば、これまでは健康保険証を目視で確認し、被保険者番号などをメモしていました。しかし、6月以降はマイナンバーカードを使ってモバイル端末で読み取れば資格情報の取得・確認ができるようになります。
また、これまで看護師は手作業でレセプト作成用端末にメモした情報を入力し、レセプトの作成を行っていましたが、今後はデータ連携によって手入力が不要です。レセプトも印刷が不要となり、請求にかかる時間も短縮されます。
マイナ保険証とは?
マイナ保険証とは、マイナンバーカードと健康保険証を一本化することを目的に、マイナンバーカードへ健康保険証の機能を備えたものを指します。通常のマイナンバーカードには健康保険証の機能が付いていないため、別途申し込み手続きが必要です。
現在、医療現場では健康保険証が利用されていますが、今後はマイナ保険証に移行される予定です。現行の健康保険証が廃止されるのは令和6年12月2日からですが、最長1年間の猶予期間が設けられています。
保険証廃止までにマイナ保険証の申し込みが間に合わないとどうなる?
上記でもご紹介したように、現行の健康保険証は令和6年12月2日で廃止されてしまいますが、最長1年間の猶予期間が設けられているので、令和7年(2025年)12月1日まではこれまでの健康保険証が使用できます。もし、この猶予期間内にマイナ保険証の申し込みが間に合わない場合は、資格確認書を用いることで受診することが可能です。
訪問看護のオンライン資格確認においても、マイナ保険証を取得していなかった場合は資格確認書を利用すれば資格確認が可能です。ただし、資格確認書の有効期間は交付されてから5年以内になります。