業務後自動点呼とは?国交省の要件や導入ステップ、活用できる助成金などを紹介|IT点呼キーパー

業務後自動点呼とは?
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このページは、自動点呼に関する情報収集ページです。

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  • 業務後自動点呼の概要
  • 業務後自動点呼の導入要件と方法
  • 業務後自動点呼導入によるメリット・デメリット
  • システム導入に活用できる助成金について
  • 業務前自動点呼の概要
  • 自動点呼に関するロードマップ
  • 点呼の完全自動化への道のり

以上についてご紹介します。

※現在「IT点呼キーパー」は自動点呼機器には認定されておりません。

業務後自動点呼とは?

業務後自動点呼とは

自動点呼とは、特別な点呼機器を用いると可能になる無人の点呼システムのことです。ここでいう「特別な点呼機器」とはAIロボットやICTを活用したシステムのことで、国土交通省の認定を受けた製品でなくてはなりません。また、自動点呼を行うには申請が必要です。

2024年3月現在、自動点呼は以下の条件付きで実施可能となります。

  • 「業務後」の点呼のみ
  • 点呼できない状態に備えて、運行管理者がすぐ対処できる場所にいること
業務後自動点呼とは

業務後自動点呼の要件

2023年(令和5年)4月1日に、2022年から実施されてきた乗務後自動点呼実施要領(自動点呼の要件を明記した実施要領)が廃止され、「新・点呼告示266号」へと統合されました。そして「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」(以下、点呼の解釈文書)においては、IT点呼や遠隔地IT点呼に加え、遠隔点呼や業務後自動点呼が加わりました。

業務後自動点呼には3つの要件があります。

  • 1

    機器要件

  • 2

    施設環境要件

  • 3

    運用上の遵守事項

機器要件を満たした機器は、「業務後自動点呼認定機器」として国土交通省のWebサイトに掲載されます。
業務後自動点呼を導入する道路運送事業者は、以下の2点が可能か確認しましょう。

  1. 「機器要件」を満たした機器を用意できるか
  2. 実施事業所で「施設環境要件」「遵守事項」を満たせるか
 

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今さら聞けない自動点呼のあれこれを分かりやすく解説。
業務後自動点呼の導入効果、業務後自動点呼と各点呼方法の比較など、運送業の皆さまが知りたい業務後自動点呼についてご紹介します。

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1.機器要件

業務後自動点呼に使用する機器の要件は、主に「機能」と「体制」の2つがあります。

(1)機能等

業務後自動点呼に使用する機器には以下の機能を備えること

  • 業務後自動点呼要領・機器要件

    業務後点呼に必要な事項の確認・判断・記録ができること

  • 業務後自動点呼要領・機器要件

    運転者ごとの点呼実施予定、運行管理者の氏名入力、実施状況・実施結果が確認できること

  • 業務後自動点呼要領・機器要件

    生体認証機能(顔認証、静脈認証、虹彩認証等)を持ち、生体認証が正常に行われた場合のみ、業務後自動点呼が開始できること

  • 業務後自動点呼要領・機器要件

    生体認証が正常に行われた場合のみ、アルコール検知器によるアルコールチェックができること

  • 業務後自動点呼要領・機器要件

    アルコールチェックの結果、測定時の運転者の様子を静止画又は動画で自動的に記録・保存できること

  • 業務後自動点呼要領・機器要件

    酒気帯びが検知された場合、運行管理者等に警報や通知ができること。また、この場合は点呼を完了できない仕様であること

  • 業務後自動点呼要領・機器要件

    運転者が自動車、道路及び運行状況や交替運転者への連絡等について、口頭で報告した内容を電磁的方法で記録・確認できること

  • 業務後自動点呼要領・機器要件

    運行管理者が運転者に伝える内容を、運転者ごとに画面表示や音声等で伝達できること

  • 業務後自動点呼要領・機器要件

    必要な確認・判断・記録が正常に行われない場合や、機器が故障している場合、点呼が完了できない仕様であること

  • 業務後自動点呼要領・機器要件

    運転者ごとに業務後自動点呼の予定が設定でき、予定時刻から一定時間を経過しても点呼が完了しない場合、警報や通知ができること

  • 業務後自動点呼要領・機器要件

    自動点呼機器の故障が発生した場合、故障発生日、時刻及び故障内容を電磁的方法により記録し、その記録を1年間保持できること

  • 業務後自動点呼要領・機器要件

    電磁的方法により記録された点呼結果及び自動点呼機器の故障記録の修正ができないものであること、又は修正をした場合に修正前の情報が残り消去できないこと

  • 業務後自動点呼要領・機器要件

    電磁的に記録された点呼結果及び自動点呼機器の故障記録を保存された内部形式のまま、大量一括にCSV形式の電磁的記録として出力できること

  • 業務後自動点呼要領・機器要件

    運転者ごとに、次に掲げる点呼結果を電磁的方法で記録、1年間保存できること
    ①運行管理者等の氏名及び点呼を受けた運転者の氏名
    ②自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
    ③点呼日時
    ④点呼方法
    ⑤アルコール検知器による測定結果及び酒気帯びの確認結果
    ⑥運転者がアルコール検知器による測定を行っている様子及び生体認証時の静止画又は動画
    ⑦運転者が点呼を行っている様子が明瞭に確認できる静止画又は動画
    ⑧運転者が報告した自動車、道路及び運行の状況
    ⑨運転者が報告した交替運転者に対する通告
    ⑩その他必要な事項

(2)体制等

機器メーカーは、以下の運営体制を整えること

  • 1

    事業者向けに機器の取扱説明書など資料の準備

  • 2

    問い合わせに対する説明体制

  • 3

    機器の修理体制

  • 4

    不具合情報の収集と情報に基づき機器を改善する体制

  • 5

    機器類の品質管理体制

2.施設環境要件

施設環境要件とは、点呼を実施する場所に関する条件です。
現在は、点呼場所の天井などに監視カメラを設置し、点呼時に運転者の全身の様子を運行管理者などが常時又は業務後自動点呼実施後に明瞭に確認できることとされています。

3.運用上の遵守事項

業務後自動点呼を運用するうえで遵守すべき事項は以下のとおりです。

  • 業務後自動点呼要領・運用上の遵守事項

    業務後自動点呼の運用に必要な事項を運行管理規程に記載し、運転者・運行管理者・その他関係者に周知すること

  • 業務後自動点呼要領・運用上の遵守事項

    業務後自動点呼機器の使用方法、故障時の対応などを運転者・運行管理者・その他関係者に教育・指導すること

  • 業務後自動点呼要領・運用上の遵守事項

    機器の持出し防止措置を取ること

  • 業務後自動点呼要領・運用上の遵守事項

    適切に使用・管理及び保守をして自動点呼機器が正常に作動する状態を保持すること

  • 業務後自動点呼要領・運用上の遵守事項

    点呼の実施予定・結果を適宜確認し、点呼の未実施を防ぐこと

  • 業務後自動点呼要領・運用上の遵守事項

    点呼予定時刻から一定時間を超えても点呼が完了しない場合、適切な措置が講じられる体制を整えること

  • 業務後自動点呼要領・運用上の遵守事項

    運転者が携行品を返却したことを確実に確認できる体制をつくること

  • 業務後自動点呼要領・運用上の遵守事項

    非常時に緊急事項を速やかに報告するよう指導すること

  • 業務後自動点呼要領・運用上の遵守事項

    運転者の酒気帯び検知時に、対面で確認できる適切な措置体制を整えること

  • 業務後自動点呼要領・運用上の遵守事項

    業務後自動点呼実施が困難な場合、対面又は実施が認められている点呼が行える体制を整えること

  • 業務後自動点呼要領・運用上の遵守事項

    生体情報など、個人情報取り扱いに対する運転者の同意を得ること

業務後自動点呼導入ステップ

業務後自動点呼は以下の4ステップで導入できます。

  • STEP1

    導入拠点を決める

    環境要件や遵守事項を守りながら業務を遂行できそうな拠点から始めましょう。
    緊急時の人員確保、教育体制を事前に立てておくとスムーズな運用ができます。

  • STEP2

    自動点呼認定機器を探す

    国土交通省「認定を受けた自動点呼機器一覧」から自拠点の業務に合ったサービスを探しましょう。

  • STEP3

    お申込み手続きをする

    業務後自動点呼実施予定日の原則10日前までに、実施営業所を管轄する運輸支局長などに所定の書類を提出します。

  • STEP4

    ご利用開始

    届出書を提出した営業所にて、業務後自動点呼が利用できます。

導入によるメリット・デメリット

ここからは、自動点呼を導入するメリット・デメリットについて解説します。自社に導入する価値があるか否かの参考にしてください。

  • メリット

    自動点呼を導入するメリットには以下のようなものがあります。

    • 運行管理者は点呼作業の負荷が減り、別の作業ができる
    • 点呼記録が自動で保存されるので、書類や資料の管理が楽になる
    • 点呼の確実性・信頼性が上がる

    自動点呼を「運行管理者の点呼業務を補助するもの」と考えるとメリットは多く、今後の普及に期待が持てます。

  • デメリット

    一方で、自動点呼導入によるデメリットには以下のようなものがあります。

    • 点呼時のコミュニケーションがなくなる
    • トラブル対応が難しい
    • なりすましの可能性が高まる
    • 運転者に対する指導の機会がなくなる
    • 費用がかかる

    自動点呼は「補助レベル」ではメリットがあるが、「運行管理者の業務を代行するもの」と考えるとまだまだ不十分で、活用は難しいとする意見が多く、制度の変更を含めたさらなる改良が必要といえます。

    また、認定機器の導入には費用がかかります。高度な機器なため、導入・運用費は高額になりやすく、導入に慎重な姿勢の企業も多いです。

自動点呼の導入には助成金も活用できる

自動点呼の助成金

自動点呼の助成金・補助金

全日本トラック協会の会員事業者は、「令和5年度自動点呼機器導入促進助成事業」に基づき、自動点呼の導入時に助成金が受けられます。

自動点呼の導入によりICTを活用した運行管理業務の高度化、運行管理における安全性の向上、労働環境の改善、人手不足解消につなげるのが目的です。

助成対象者

助成対象は、各都道府県トラック協会の会員事業者のうち、中小企業が対象となります。

<中小企業とは?>
  • 中小企業基本法による中小企業者
  • 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社
  • 常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人

助成要件

助成対象とする自動点呼機器は、国土交通省の認定を受けたもので、令和4年4月1日以降に契約もしくは利用開始したものです。
申請時に国土交通省に届出をして受理された「乗務後自動点呼の実施にかかる届出書」の写し(受付印があるもの)の添付が必須となります。

助成額

助成額は対象となる自動点呼機器の導入費用です。
費用には、周辺機器やセットアップ代金、契約期間中のサービス利用料を含みます。また、上限は10万円です。

1年度内の申請台数は、1事業者当たり事業用自動車1台分が上限となります。
ただし、所属する協会の域内に安全性優良事業所(Gマーク事業所)を有する事業者は2台分(20万円)が上限です。

業務前自動点呼とは?

業務前自動点呼とは

業務前自動点呼とは、その日初めてトラックに乗務する前に行う点呼を自動で行うものです。

2024年3月現在、業務前点呼を自動で行うことは認められていません。
業務前点呼では、乗務員の状態に応じて運行可否の判断が必要など、責任が重い業務を行えるロボットやシステムが確立していないのが主な理由です。

業務前自動点呼とは

業務前自動点呼の実証実験や評価基準について

業務前自動点呼の実証実験は、以下の流れで2段階で実施されています。

  • 1次期間:2023年6~8月、運行管理者立ち会いのもと実施
  • 2次期間:2023年9月~、運行管理者の立ち会いなしで実施

また、実証実験の評価基準は以下のとおりで、事項を事業者にヒアリングし、確実性を検証します。

  • 点呼項目ごとに、対面点呼と比較した場合の優劣とその理由について
  • 実験中に生じた問題の程度と対処内容
  • 自動点呼導入による効果の有無

業務前自動点呼において想定される課題

業務前自動点呼で想定される主な課題は以下のとおりです。

想定される課題 課題の具体的内容
健康状態の報告・確認方法 機器が報告内容を認識できるか
日常点検結果の報告・確認方法 機器が報告内容を認識できるか
運転者への指示 指示内容の形骸化
乗務可否の判断 機器が乗務の可否を正確に判断できるか
乗務不可の場合の運行停止措置 乗務不可の判断を無視して乗務しようとする運転者をどう止めるか

自動点呼はいつから始まる?ロードマップを確認

自動点呼はいつから始まる?ロードマップを確認

自動点呼のロードマップ

2024年3月現在、業務後自動点呼はすでに運用が始まっています。
業務前点呼における条件付き自動化は、実証実験の1次期間が2023年6~8月に行われ終了しています。

実証実験の2次期間は2023年9月から開始し、10月を目処に行われ、終了後は要件や制度化案の検討・整備に入る予定です。

自動点呼ロードマップ

※タップで画像を拡大できます ※出典:国土交通省「令和5年度運行管理高度化の検討スケジュールについて」を一部加工

完全自動点呼実現に向けた動き

国は運送業界における点呼の完全自動化を目指していますが、現状は業務後自動点呼制度が始まったばかりです。

業務前点呼の自動化については、まだ実証実験の段階で、結果によっては制度化案の検討に時間がかかり、正式導入が遅れる可能性もあります。
実証実験1次期間の結果と導入コストの高さを受けて、完全自動化は難しいとする声も多く、完全自動化実現にはもう少し時間がかかりそうな状況といえるでしょう。

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