<アフターレポート>電子帳簿保存法とインボイス制度をわかりやすく解説!制度の概要と対応のポイント|法人携帯テレニシ.biz

<アフターレポート>電子帳簿保存法とインボイス制度をわかりやすく解説!制度の概要と対応のポイント

最終更新日
<アフターレポート>電子帳簿保存法とインボイス制度をわかりやすく解説!制度の概要と対応のポイント

2023年10月1日からインボイス制度の開始、2024年1月1日から電子帳簿保存法の電子取引の領域では令和5年度の税制改正において、猶予措置が設けられたため、制度が始まると、日常的に発生する取引の経理業務に大きな変革を余儀なくされますので、できるだけ早く準備を始めることが重要です。


では、インボイス制度および電子帳簿保存法の改正において事業者はどのような対応を迫られるのでしょうか?そこで2022年12月13日にウェビナーを開催し、辻・本郷税理士法人の菊池氏、株式会社ラクスの奥川氏に登壇していただき、今後の対応について解説していただきました。弊社からも下河が登壇し、法人携帯を活用するメリットについて解説しました。


今回は、ウェビナーで解説された電子帳簿保存法とインボイス制度の概要と対応のポイントについてご紹介します。


はじめに、辻・本郷税理士法人の菊池氏にご登壇いただきました。

1.インボイス制度の概要と対応

インボイス制度が導入されると、買い手(受領者)側が消費税の仕入れ税額控除を受けるためには、売り手(発行者)側が発行するインボイス(適格請求書)を受領し保存することが要件となります。


この場合、売り手(発行者)側は適格請求書発行事業者として登録していることが大前提です。なお消費税の申告納税をしている課税事業者でしか登録できないというルールとなります。


そのため免税事業者が売り手となる取引に関しては、必然的に買い手側が納める消費税の金額が増えるでしょう。そこで消費税をオンしない取引価格に改定してほしいと話し合うなど、今までの取引関係に影響が生じることが考えられます。

インボイス制度が導入される背景と経過措置

2019年10月1日 から実施されている消費税の軽減税率制度及び区分記載請求書等保存方式によって、軽減税率と標準税率という複数の税率が導入されているため、消費税の計算を行うことがやや複雑かつ煩雑です。


この問題を解消するために、消費税の仕入税額控除の金額を正しく計算していくために導入される制度がインボイス制度になります。つまり適格請求書(以下、インボイス)は、正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段です。


一定の事項が記載されていれば、請求書のほか納品書や領収書など書類の名称は問わずにインボイスとして運用できます。また相互に関連性が明確な複数の書類を合わせて、1つのインボイスとしての運用も可能です。


なお、免税事業者等の適格請求書発行事業者以外の事業者からの仕入れについて、制度開始後3年間は仕入税額控除の80%相当を控除、さらにその3年後は仕入税額控除の50%相当を控除できるという経過措置が設けられています。

押さえておきたい3つのポイント

インボイス制度の対応において、押さえておきたいポイントは次の3つです。


  1. 発行者・受領者に分けて、整理しながら対応を進めていく
  2. 電子帳簿保存法のうち2024年の1月から書面での出力保存が認められなくなる電子取引という領域についてどのように対応していくか
  3. 経理実務の負担感が非常に増大することが想定される中、どのように対応していくか

以下は、インボイス制度の対応のポイントについてまとめたものです。

左右にスライドすると表を見ることができます

売り手(発行者)側の対応のポイント 買い手(受領者)側の対応のポイント
  • 原則、2023年3月末が適格請求書発行事業者の登録期限となっている。なお、令和5年度の税制改正を踏まえ、9月末まで申請を受け付ける取り扱いが示されています。(免税事業者の場合は、課税事業者の選択を検討する)
  • 現行の請求書等に一部の項目を追加したりレイアウトを変更したりする
  • 受領時の確認作業の手間を軽減するため、取引先に事前確認を行う(登録の方針、登録番号やインボイスのレイアウトなど)
  • とくに小規模事業者の状況を確認する
  • インボイス発行時の業務フローを再構築する
  • 受領および保存のルールを確認し、会計システムへの入力時などの業務フローを再構築する
  • 会計システムの対応状況を確認しておく
  • 制度開始後は、発行したインボイスの写しを保存しておく(電子対応)
  • 制度開始後は、受領したインボイスを保存しておく(電子対応)
  • インボイスの保存が仕入税額控除の要件となることから、記載要件を満たした適格請求書を受領するよう注意を払う(発行事業者が適格請求書発行事業者なのか、あるいは記載すべき項目がすべて満たされているのか確認する)

特に会計システムが対応するかどうかの確認、請求書発行・請求書受領時の業務フローの再構築、あるいはこういった領域のシステムの導入も制度開始に向けての重要なポイントになります。

インボイス制度の注意点

現行の請求書である区分記載請求書に追加すべき項目は、適格請求書発行事業者として登録した後に付与される登録番号、正しい適用税率や税率ごとに区分した消費税額等です。


また端数処理のルールが変更になります。従来は商品単位(明細行ごと)に端数処理を行えました。インボイス制度導入後は、税率ごとに合計した対価の額に税率を乗じて消費税額を算出するルールに変更になります。Excelで請求書を発行しているケースでは、端数処理のルールを入れ替えて再度配布するようにしてください。


インボイス保存のルールは、基本的にすべての取引についてインボイスを収集する必要があります。インボイス制度においては、一部の特例を除き、インボイスを保存しなければ仕入税額控除ができないため注意が必要です。

2.電子帳簿保存法の概要と対応

電子帳簿保存法とは、紙で保存が義務付けられている帳簿書類について一定の要件を満たした上で電子的記録、電子データによる保存が可能とすること、そして電子的に授受した取引情報の保存義務を定めた法律です。


大きく取り扱う領域は、国税関係帳簿、国税関係書類、電子取引という3領域となります。国税関係帳簿そして国税関係書類については、紙での保存と電子での保存が任意なので従来通り紙で保存しても問題ありません。


一方、電子取引においては令和5年度の税制改正において、新しい猶予措置が講じられましたが、先々を見据え電子保存の方法を検討することをおすすめいたします。電子取引を電子保存する際には、以下のとおり2つの保存の要件が求められています。


  • 真実性の要件
  • 可視性の要件

電子取引の電子保存のポイントは、次のとおりです。


  1. 電子取引の量、種類、受領者あるいは受領部署などどういった方が受け取っているのか電子保存すべき対象を把握する
  2. 実際に電子データを保存する段階では「タイムスタンプを付す」「システム上に保存する」「システムを導入せず事務所にて事務処理規定を備え付ける」など真実性の要件を確保する方法を検討する
  3. 可視性の要件である検索機能を確保する方法を検討する

電子帳簿保存法、インボイス制度ともに、従来の経理業務に大きな変革を求めるものとなっています。いずれも現状把握やシステム導入の検討を進めつつ新たな業務フローを構築し、その運用テスト・社内関係者への教育も必要となるケースが考えられます。なるべく早期に着手することで、スムーズに対応できるようになるでしょう。


次に、株式会社ラクスの奥川氏にご登壇いただきました。

3.業務のシステムを活用による法対応

デジタル化に向けての準備としては、業務の棚卸と優先順位づけ、こちらの2つが重要になります。デジタル化を進めることで生産性の向上が見込めるものが何なのかを見極めることが、まず第一歩だといえるでしょう。


今回は、弊社がご提供している「楽楽精算」と「楽楽勤怠」についてご紹介します。

楽楽精算

楽楽精算では、経費に関わる「申請者」「承認する上長」「経理担当者」の業務が楽になるというメリットがあります。


例えば申請者は交通系のICカードをスマホにかざすだけで交通費の精算がスムーズに行え、電子フローで申請が上がってくる裏側で勘定科目が自動で紐づくようになるため、経理担当者による手入力の工数を一気に削減できるというわけです。


国税庁公認機関のJIIMA認証を取得しているため、タイムスタンプの付与や検索機能も含めて電子帳簿保存法に対応する機能を備えています。そのため申請者はスマホで領収書などを撮影し、電子フローで回覧させて、最終的には原本を破棄するなど電子帳簿保存法の電子保存に対応する運用イメージです。


楽楽精算のご利用は、電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応できるほか業務効率化の実現につながります。

楽楽勤怠

楽楽勤怠は、出退勤管理からお休みの管理や残業の管理等までが簡単にできるクラウドサービスです。給与システムとの連携も可能で、勤怠データのCSV出力も備えています。申請者、承認者、人事管理者の皆様すべてが楽になるシステムを目指しており、シンプルな画面設計やサポート体制は特に大きな強みです。


楽楽勤怠では専任制を敷いており、お問い合わせの際にも毎回企業様の事情をよくわかった担当スタッフがスムーズに対応します。法改正から電子化への動きは加速していますが、システム化するかどうかは、業務の棚卸しをしてから検討されてはいかがでしょう。


最後に、弊社、下河が登壇しました。

4.法人携帯を活用する3つのメリット

近年では働き方改革などの影響で場所を選ばない働き方が一般化しています。またファイル保管・データ共有などのクラウドサービスにおいても利用状況が上昇しており、これらのニーズに対応するためには小さいPCでもあるスマートフォンの利用が必須です。


ここでは、法人携帯のスマートフォンを利用する3つのメリットをご紹介します。


  1. 法人様限定プランが利用でき、通信費の大幅な削減が期待できる
  2. 他のソリューション商材とも親和性が高いため業務効率向上につながる
  3. 専任制のアフターフォロー体制を利用できる

料金を必要以上に制限してしまうと業務に支障が出ることがあるため、通信費の削減には、利用状況の確認が必要です。ほかに弊社では「楽楽シリーズ(楽楽明細・楽楽精算・楽楽販売・楽楽勤怠)」「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」「LINE WORKS」「ホワイト安全キーパー」など多数商材を取り扱っており、法人様の業務効率向上の支援をおこなっています。

5.まとめ

今回は、ウェビナーで解説された電子帳簿保存法とインボイス制度の概要と対応のポイントについての模様をご紹介いたしました。


弊社はインボイス制度に対応したツールはもちろん、その他にも業務効率向上に貢献できるサービスもご用意しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

< 次のコラム

会社携帯のテザリング機能の利用について、メリットと注意点を徹底解説!

前のコラム >

<アフターレポート>電子帳簿保存法とインボイス制度をわかりやすく解説!制度の概要と対応のポイント

人気のお役立ち記事 月間ランキング

  • 1

    3Gサービスが2024年に終了。ガラケーユーザーは何をすべき?
  • 3Gサービスが2024年に終了。ガラケーユーザーは何をすべき?

    スマートフォンが登場する前に活用されていた、ガラケー。ガラケーは、ガラパゴスケータイやフィーチャーフォンと呼ばれることもあり、メインの通話機能に加えてカメラやメール、インターネット接続などのできる携帯電話のことです。これらのガラケーは、古い回線方式である3G回線を使用している端末が多いことが特徴です。2024年現在、この3G回線は今後数年の間に次々と使えなくなってしまう予定になっています。そこで本記事では、3Gサービスが終了した時のガラケーユーザーへの影響と、終了までに準備しておきたいことについてご紹介します。

  • 2

    会社携帯、休日も対応すべき?電話がかかってきた時の適切な対処法とは
  • 会社携帯、休日も対応すべき?電話がかかってきた時の適切な対処法とは

    営業職であれば会社携帯を支給されて、日々の業務連絡や顧客対応のために利用している方も多いでしょう。せっかくの休日にもかかわらず取引先やクライアントから会社携帯に着信があった場合に、どのように対応すれば良いのでしょうか?休日の電話対応は、できるだけ避けたいものです。

  • 3

    社員が仕事で個人携帯を使いたくない理由とは?会社から使用の強制できるのかなど、リスクを紹介
  • 社員が仕事で個人携帯を使いたくない理由とは?会社から使用の強制できるのかなど、リスクを紹介

    会社を経営している方で、「社員が仕事で個人の携帯やスマホを使いたくないと思う理由を知りたい」「会社から個人携帯使用の強制はできるのか知りたい」こういった悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?当記事では、このような悩みを解決していきます。記事を最後まで読んでいただければ、社員が仕事で個人携帯を使いたくない理由から、会社から個人携帯の使用を強制できるのかまで理解できますので、ぜひ参考にしてください。

  • 4

    会社携帯のGPSで従業員監視は違法?メリットと注意点を徹底解説!
  • 会社携帯のGPSで従業員監視は違法?メリットと注意点を徹底解説!

    会社で支給している携帯電話やスマートフォンなどの法人携帯には、機種にもよりますが、さまざまな機能が備わっています。地図のアプリなどに使用されるGPS機能を使用すると、各端末が現在どこにあるのかを把握することができます。端末の現在地を確認することで、その携帯やスマホを所持している従業員の居場所を確認することができるので使ってみたい管理者の方も多いのではないでしょうか。

  • 5

    個人事業主の携帯料金は経費にできる?
  • 個人事業主の携帯料金は経費にできる?

    事業と生活の明確な区別がつけづらい個人事業主の方は、「何がどこまで経費になるのか?」「これは計上しても良いのか?」と迷うことが多々あるかと思います。事務所兼自宅となっている住居に関連する費用や、自家用車の車両費やガソリン代、そして、個人の携帯に関する費用などは、特に悩む方が多いのではないでしょうか。今回は、個人携帯の電話代や通信費を経費扱いにできるのかどうか、計上する上で迷っている個人事業主・法人の方向けに、ポイントをお伝えいたします。