1.キッティングとは
ここでは、キッティングについて詳しく見ていきましょう。
そもそもキッティングとは何か
そもそもキッティングとは「整備・配備」という意味で、PC管理担当者の方であれば、よく耳にするワードでしょう。法人向けにはパソコンなどのIT機器の導入時に、従業員がすぐにデバイスを業務で利用可能な状態にする準備を指します。
キッティング作業に含まれている作業は、以下の2つです。
- 同じ設定のデバイスの複製(コピー)
- デバイスの個別設定
キッティングでは、企業の事情に対応できる環境を用意するための各種設定や管理登録を行うわけです。次に、キッティングが必要になるケースを見てみましょう。
- デバイス新規導入時の初期設定(新入社員受け入れ時など)
- デバイス入れ替え時
- オフィスの新規開設や移転時
- 大規模なシステム更新時
- OSの移行・アップデート時
- テレワーク端末の導入時
- スマートフォンなど通信機器の大量導入時
セットアップと何が違うの
キッティングとセットアップは意味合いが似ていますが、厳密には異なります。まずは、それぞれの意味を見ていきましょう。
IT用語 | 定義 |
---|---|
キッティング |
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セットアップ |
|
上記からキッティングとセットアップの違いとは、セットアップが最低限の設定である一方、キッティングは納品後からすぐに業務に利用できる状態にする一連の作業だという点です。
つまりキッティングの工程には、デバイス・周辺機器・ツールなどの各種設定作業も含まれています。
キッティングをアウトソースするメリット
キッティングをアウトソースする5つのメリットは、次のとおりです。
- 工数を削減し、自社の情報システム部門の負担軽減
- 作業クオリティの均一化
- IT資産管理の徹底
- PCに限らずさまざまなデバイス・機種に対応可能
- 短納期・大規模にも対応可能
キッティングは、単純作業の繰り返しです。多くの企業では、台数が少なければ社内の情報システム部門がMDMなどを利用して手作業でキッティングを担っています。
しかし数十台以上の規模となると、膨大な手間と設定作業の時間のほか作業・保管場所が必要になることから、手作業は現実的ではありません。
そこで近年では、キッティングを代行してくれるLCM(ライフサイクルマネジメント)サポートが登場しています。LCMサポートはIT資産の選定・企画・導入・資産管理から運用サポート、廃棄に至るまでトータル支援を行うソリューションのことです。
LCMサポートはITベンダー各社から提供されていることから、希望すればキッティング作業の一括アウトソーシングも利用できます。ラベルの貼付から指定した拠点への出荷・配送まで、幅広いサービスメニューが用意されており、柔軟に対応してもらえるのがポイントです。
さらに近年では、サービスマンによる現地作業の省力化を目的とした、専用回線によるオンラインキッティングも登場しています。
法人向けのスマートフォンでも、キッティング作業は必要です。必要なアプリをインストールしたり、SNSなどの利用を制限したり、セキュリティ面を考慮してカメラ機能を止めたり、アプリの追加・削除を制限したりといった設定をしてから自社の従業員へ貸与します。
なおタブレットやスマホなどモバイル端末の利用においては、社外から社内システムへ接続する可能性もあるため、VPNの設定が必要になるケースがあるので留意してください。
当社では、業務用端末のキッティング作業に使える「LANSCOPEクラウド版」やLCMサービスのご案内が可能でございますので、ぜひお問い合わせくださいませ。
よくやる失敗
自社内でのキッティングにこだわった結果、品質のバラつきの是正やセキュリティ対策のための徹夜作業が増え、人件費が膨れ上がっては失敗と言えるでしょう。しかもせっかく構築したセキュリティが、Web上の脅威およびデバイスの盗難・紛失に対して不十分である場合も多いのです。
またキッティングに手間がかかり、自社の情報システム部門が抱える本来の運用業務に支障がでては元も子もありません。
キッティング作業には、自社でやるにせよ委託するにせよそれなりに費用がかかります。キッティングをアウトソーシングすると、人件費を一定以下に抑えられるメリットがあるのでぜひ参考にしてください。