1.BOtechとは
ここではBOTechの概要について、詳しくご紹介します。
そもそもBOtechとは何か
そもそも「BOTech(ビーオーテック)」とは、バックオフィス業務を効率化するITソリューションやサービスのことです。バックオフィスとは、「間接部門」あるいは「事務管理部門」と呼ばれる経理・財務・人事・労務・総務のことを指します。
Back Office and Technologiesという造語からうまれたワードが、BOTechというわけです。クラウドやAIなどのテクノロジーを活用すれば、アナログで非効率的だとされる管理部門の圧倒的な業務改善を実現できるとして注目されています。
顧客と直接コミュニケーションを取る営業などのフロントオフィスと比較して、バックオフィスの業務改善はこれまで後回しにされてきました。企業ごとの独自ルールがあるほか、ミスが許されない重要な業務を担っているからです。例えば経理担当者は膨大な事務作業をこなしながら、ミスのないよう手入力する必要があります。
バックオフィス業務が抱える課題のソリューションとしてBOTechを導入すると、管理部門の働き方を大きく変えることになるでしょう。
なぜ今BOtechが求められているのか
今、BOTechの導入が多くの企業で進んでいる理由は、主に次の2点です。
- 働き方改革への対応
- 新型コロナウイルス感染症の影響への対応
2019年より、政府主導で働き方改革を推進しています。生産年齢人口の減少により人材確保が難しくなっていることや、柔軟な働き方へのニーズが向上していることなどが理由です。長時間労働の是正と同時に生産性の向上が求められており、少ない労力や資源の投入によって効率的に提供するモノやサービスの価値を高める必要があります。
そのため企業は、フロントオフィスあるいはバックオフィスにかかわらず、社員の労働環境の整備に取り組む必要がでてきました。業務効率を向上させて長時間労働の課題を解決し、生産性向上を目指すことが今では重要だというわけです。
新型コロナウイルス感染症の影響で、テレワークなどリモートでの就労環境に対応できるITツールの導入が必要なことも大きな理由と言えるでしょう。実際に、中小企業は戦力強化のためにも、さまざまな働き方を提供したほうが優秀な人材確保につなげやすいからです。
BOtechのメリット
BOTechのメリットは、反復的な事務作業が中心のバックオフィス業務を自動化・システム化できる点です。ムダやストレスを感じやすい非効率的な業務を圧倒的に効率化できることから、BOTechの導入は従業員の満足度を高めることにもつながります。
BOTechの中でも特に働き方改革の近道として注目されているのが、ソフトウェアを提供するクラウドサービス「SaaS(Software as a Service)」です。
自社でシステムを開発するオンプレミス型より、既存のクラウド型システムを活用すれば導入や運用にかかるコストを削減できます。しかもクラウド型システムなら、Wi-FiさえあればWEB上で作業できるのでオフィスに出社する必要もありません。
事務作業のクオリティが変わり、企業の規模に応じたコストでの運用が可能であることもBOTechのメリットです。そのため低コストで生産性向上に役立つBOTechは、競争力確保の一環として中小企業の間でも広く浸透しています。
生産性の高いコア業務へとシフトする「攻め」のバックオフィスづくりが、今後はより一層、企業の成長を左右する鍵となるでしょう。