1.携帯の法人契約に必要な審査内容
法人の契約の際には通常の審査だけでなく、与信審査が行われる場合があります。
この与信審査とはどのような審査で、何のために行うのか、なぜ行うのかを解説します。
①「与信審査」とは?
与信審査とは、契約する法人の資産状況や、資金調達や支払いの能力があるのかを確認するとともに、契約先として信用できるのかどうかを判断する審査です。
与信審査の与信とは「信用供与」のことです。
携帯電話はサービスを提供した後に代金を受領する与信取引を行うことになりますが、その場合は債権が焦げ付いてしまう可能性があり、取引先が代金を支払えないリスクを常に伴うこととなります。
そのため、携帯電話のキャリアからすると、倒産する可能性が低く安全な会社かどうかを見極めるために必要な審査なのです。
法人携帯を一括購入する際には、毎月支払う利用料金の支払い能力を判断するための契約審査のみ行うケースが多いです。
法人携帯を分割契約する場合や契約数が多い際には、与信審査で法人の返済能力における信用度を審査することが必要となります。
②与信審査の目的と重要性
与信審査の目的は、本当に法人に売上があり支払い能力を持っているのか、毎月の料金を安定的に回収することができるかどうかという信用力を把握するという意味合いに加え、不正利用を防ぐという部分にもあります。
携帯電話は振り込め詐欺などの特殊詐欺に使われるケースもあるため、誰にでも簡単に提供するというわけにはいきません。
そのため、法人・個人を問わず、不正利用を防止するために厳格な審査を行っています。
取引相手としての信用調査だけでなく、違法行為を行う相手ではないかなどを見極めるという点でも、与信審査は非常に重要と言えます。
③与信審査の調査ポイント
1つ目は会社概要に関する部分で、事業内容や従業員数、資本金など企業情報、企業規模に関する部分を見られることが多いと考えられます。
2つ目は代表者や役員に関する部分で、基本的にこれまでの経歴などを確認されているとみられます。
3つ目は決算内容に関する部分で、法人の財務状況や貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)を元にした経営状態や業績、財務分析の観点から見られているようです。
こちらは一般的に調査ポイントとしての可能性が高い部分にはなりますが、その他の基準での審査も行われる可能性があります。