1.光回線は法人契約と個人契約でどう違う?
法人契約は法人に特化したサポートやオプションなどが追加されている契約で、個人契約は一般家庭向けの契約になります。通信速度を含む回線品質に関しては、法人契約と個人契約で大きな違いはありませんが、サービスやサポートなどで異なる部分があります。光回線の法人契約と個人契約の主な違いは、以下の5つです。
- 固定IPアドレスが取得できる
- VPNによる接続が可能
- 専用回線で混雑の影響を受けにくい
- サポートが充実している
- 法人名義の請求書を発行してもらえる
固定IPアドレスが取得できる
法人契約の場合、固定IPアドレスを取得することが可能です。IPアドレスはネットワークに接続する端末などに振り分けられた数字を指します。この数字からデータがどの端末から送受信されたのかを識別することも可能です。
また、自社のWebサイトを公開する際、同じサイトにアクセスしてもらうためには、固定IPアドレスが必要です。しかし、個人契約の光回線では接続するごとにIPアドレスが変更されるため、自社のWebサイトを公開しても毎回IPアドレスが変わってしまい、アクセスできなくなってしまいます。
さらに、固定IPアドレスは外部からでもローカル環境にあるサーバーを公開できたり、ネットワークカメラなどIoT機器の管理ができたりするなど、さまざまなメリットが得られます。さらに、指定したIPアドレス以外のアクセスを制限することも可能なので、セキュリティの強化にも役立つでしょう。
VPNによる接続が可能
VPNとは、仮想の専用回線に接続することで通信を暗号化でき、通信の安全性を強化できることを指します。第三者によってアクセスできない環境が構築されるため、機密情報などを共有する際などにも活用できます。
法人契約の光回線ではUTMと呼ばれるセキュリティ機能をいくつも統合したサービスとセットで提供されているものもあり、VPNによる接続が可能です。顧客の個人情報や会社にとって重要な情報を守るためにも、VPNによる接続ができることは大きなメリットになるといえるでしょう。
専用回線で混雑の影響を受けにくい
法人契約の光回線には専用回線を設けているプロバイダもあります。専用回線による通信なら通信が混雑しやすい時間帯でも一定の帯域が確保されているため混雑の影響を受けにくく、安定した通信速度が得られます。
個人契約の場合は共有型となるため、通信の利用者が多ければ多いほど通信速度は不安定になり、遅くなる可能性が高いです。他人の通信の影響を受けず、安定した通信速度を確保したい場合は専用回線のある法人契約を選択しましょう。
サポートが充実している
法人契約の光回線は、個人契約に比べてサポートが充実している傾向にあります。なぜ法人契約だとサポートが充実しているかというと、通信に不具合が生じた場合、顧客となる事業者側が大きな損害を被ってしまう可能性があるためです。
法人契約の場合、専用のサポート窓口が設けられているケースが多いです。また、サポートが24時間365日体制で対応してもらえる場合もあります。他にも、万が一トラブルが生じてしまった場合にプロバイダからエンジニアを派遣し、保守をサポートするサービスを提供しているところもあります。
法人契約の光回線を選ぶ際は、サポート内容にも目を向けて自社にとって必要なサポートが受けられるプロバイダを選択するようにしましょう。
法人名義の請求書を発行してもらえる
法人契約の場合、法人名義で契約することから発行される請求書も法人名義となります。個人契約だと個人名義で請求書が発行されてしまうため、経費処理が面倒になる可能性もあるでしょう。
法人カードを使って決済することで、請求書や領収書がなかったとしても経費で処理することはできます。ただし、他の請求書・領収書と一緒に経費処理を行いたい場合は、法人名義の請求書を発行してもらった方が便利です。