1.wifiの「法人用」と「家庭用」の違い
まず、法人用のWi-Fiは、家庭用のWi-Fiと何が違うのでしょうか。
法人用のWi-Fiにもさまざまなタイプのものがありますが、法人用と家庭用と大きく分けたときにWi-Fiの仕様として異なる部分を中心に、それぞれのWi-Fiの特徴をご紹介します。
①家庭用Wi-Fiとは
家庭用のWi-Fiは、家庭内での使用を前提とした仕様になっている無線LANとなっています。一般的にはこの無線LANアクセスポイント機能とルーター機能がセットになった「無線LANルーター」として、多く提供されています。
接続台数が少ない分には使用する上で支障はありませんが、接続デバイスが増えると通信速度が遅くなっていく傾向にあります。
業務で使用する場合、数人までの使用であれば家庭用のWi-Fiでも十分に活用できますが、一人あたりのデバイス使用量が増えると回線が増え、通信速度が遅くなったり、停止する可能性があります。通信速度が遅くなると業務に支障が起きたり、社員のストレスにも繋がってしまったりするため注意が必要です。
また、法人用Wi-fiと比べて簡易的な認証方式を使っている傾向があり、セキュリティ面を気にされている方には法人用Wi-fiの方がおすすめです。
②法人用Wi-Fiとは
法人用のWi-Fiには、大きく分けて3つのメリットがあります。
それぞれのメリットについて、詳しくご紹介いたします。
①個人情報漏洩のリスクが減る
無線LANの暗号化規格や方式は、家庭用のものも法人用のものも一般的に解読されにくいとされるWPA2/AESを採用しています。
法人用のWi-Fiはさらに、暗号化だけでは情報を盗み見られてしまうリスクを減らすためのRADIUSやLDAPといった外部認証サーバと連携させ、情報漏洩を防ぐ仕組みを取り入れています。
また、Wi-Fiによっては社内用のWi-Fiと来訪者用のWi-Fiを分けて提供してくれるサービスもあります。
来訪者用のWi-Fiからは社内用のWi-Fiに繋がらない仕組みになっており、Wi-Fiを通じた個人情報漏洩のリスクに対応できるようになっています。
そのため、家庭用Wi-fiよりも安心してご利用いただけます。
②大人数で使ってもスピードが均一で速い
法人用Wi-Fiは、多人数での使用を前提とした仕様の無線LANとなっています。利用者数や利用デバイス数が増えても通信速度を維持しやすく、大人数で同じWi-Fiを使用してもスピードが均一で速いというメリットがあります。
業務で使用する場合、使用するエリアに電波が行き届き、かつ干渉が起こらない適切な接続と配置を行わないと快適な環境は生まれませんが、法人向けWi-fiならその心配はありません。
オフィスを利用する人数が数人であっても、PCやスマホ、タブレットなど、1人あたりの接続するデバイス数が多い場合は法人用のWi-Fiを取り入れた方が良いでしょう。
また、持ち運びのできる法人用のWi-Fiルーターをレンタルするサービスを使用する場合でも、デバイス数を目安にいくつかのルーターをレンタルすることで、場所を問わずスピードを保ったまま業務をすることができるようになります。
スピードの速さは社員の業務効率にもつながりますので、効率面や従業員の満足度においても重要なポイントです。
③不正侵入やデータ盗聴のリスクにも対応
データ盗聴はAESを採用していればある程度防ぐことができますが、心配なのは不正侵入のリスクです。
一般的な家庭用無線アクセスポイントを採用した場合、すべてのユーザーが同じ認証キーを使用しています。
そのため、使用している端末を盗難・紛失したり、画面を盗み見ての認証情報が外部に漏れてしまったりした場合、不正侵入を見分けることが難しく、防ぐための対応が困難となります。
法人用のWi-Fiを使用する際に企業用の無線アクセスポイントを採用し、端末による個別認証を行うことで、家庭用のアクセスポイントでは防げなかった不正侵入を防ぐことができます。快適で安全性の高い法人向けWi-fiは企業にとって安心ですね。