1.会社携帯の私的使用によって考えられるリスク
社内外で電話やメールによる連絡がとりやすく、場所を問わずに共有された資料を確認できるなどインターネットに接続できるスマートフォンは、非常に便利なビジネスツールです。
そこでスマートフォンを法人契約して社員へ貸与すると、常に法人スマホは社員の管理下におかれることから私物のような感覚に陥りやすくなります。しかし社員によってプライベート感覚で会社携帯を利用されると、多額の通信コストが発生したり企業の信用問題にかかわったり、大きなリスク要因になるのです。
ここでは私的利用によって考えらえるリスクを見ていきましょう。
①会社への高額請求に繋がるリスク
社員が会社携帯を勝手にプライベートな目的で利用する行為は、会社の通信費用を増大させます。社員1人あたりの通話料やデータ通信量の増加はわずかに見えても、多くの社員が当たり前のように私的利用を続けていると、月額料金の支払いに困窮するほどの高額請求に繋がる可能性は大きなリスクです。特にインターネット接続によるデータ通信量が毎月契約している容量を超えると、データ容量の追加で利用料金が大きく膨らみます。想定を大幅に超えたデータ通信量の使用によって、自社の経営を逼迫させる事態は避けたいものです。
②情報漏えいなどセキュリティ面のリスク
便利なインターネットの世界は善意で満ちているわけではありません。マルウェア(一般的にウィルスと呼ばれる)というユーザーのデバイスに不利益をもたらす悪意のあるプログラムやソフトウェアの種類が年々増えています。
私的利用の際に業務とは無関係なアプリをインストールしたり、有害サイトやメールを閲覧したりして感染すると、マルウェアによって携帯電話に登録された電話番号などの個人情報、写真などの画像や動画を流出させられたり、当該スマホから社内ネットワークへ不正アクセスされ甚大な被害に繋がる可能性もあるのです。データ通信量の増大を危惧して、脆弱性が指摘されているフリーWi-Fiを利用した場合には、通信内容を盗み見されてしまい個人情報の流出に繋がることもありえます。
会社携帯の私的利用による情報漏えいは、結果として大切な取引先からの信用を失い会社の存続問題にまで発展しかねません。