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会社携帯の履歴はどこまで確認できるのか?

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会社携帯の履歴はどこまで確認できるのか?

業務効率化を期待してスマホを会社携帯として社員に支給する場合、社員が法人携帯を使って業務とは関係ないSNSや動画の閲覧など私的利用する可能性を踏まえた対策をする必要があります。


私的な電話・メールの使用やインターネットを利用した問題行動が起きている場合に、管理者側でどこまで履歴を確認できるのか使用状況の確認方法を知っておきたい、あるいはプライベートな利用を防ぐ対策をしておきたいとお考えの方も多いでしょう。


本記事では、会社携帯の私的利用が引き起こすトラブルや、履歴を確認できる範囲や法人スマホの私的利用を未然に防ぐ3つの対策を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.会社携帯の私的使用によって考えられるリスク

社内外で電話やメールによる連絡がとりやすく、場所を問わずに共有された資料を確認できるなどインターネットに接続できるスマートフォンは、非常に便利なビジネスツールです。


そこでスマートフォンを法人契約して社員へ貸与すると、常に法人スマホは社員の管理下におかれることから私物のような感覚に陥りやすくなります。しかし社員によってプライベート感覚で会社携帯を利用されると、多額の通信コストが発生したり企業の信用問題にかかわったり、大きなリスク要因になるのです。


ここでは私的利用によって考えらえるリスクを見ていきましょう。

①会社への高額請求に繋がるリスク

社員が会社携帯を勝手にプライベートな目的で利用する行為は、会社の通信費用を増大させます。社員1人あたりの通話料やデータ通信量の増加はわずかに見えても、多くの社員が当たり前のように私的利用を続けていると、月額料金の支払いに困窮するほどの高額請求に繋がる可能性は大きなリスクです。特にインターネット接続によるデータ通信量が毎月契約している容量を超えると、データ容量の追加で利用料金が大きく膨らみます。想定を大幅に超えたデータ通信量の使用によって、自社の経営を逼迫させる事態は避けたいものです。

②情報漏えいなどセキュリティ面のリスク

便利なインターネットの世界は善意で満ちているわけではありません。マルウェア(一般的にウィルスと呼ばれる)というユーザーのデバイスに不利益をもたらす悪意のあるプログラムやソフトウェアの種類が年々増えています。


私的利用の際に業務とは無関係なアプリをインストールしたり、有害サイトやメールを閲覧したりして感染すると、マルウェアによって携帯電話に登録された電話番号などの個人情報、写真などの画像や動画を流出させられたり、当該スマホから社内ネットワークへ不正アクセスされ甚大な被害に繋がる可能性もあるのです。データ通信量の増大を危惧して、脆弱性が指摘されているフリーWi-Fiを利用した場合には、通信内容を盗み見されてしまい個人情報の流出に繋がることもありえます。


会社携帯の私的利用による情報漏えいは、結果として大切な取引先からの信用を失い会社の存続問題にまで発展しかねません。

2.会社携帯の履歴

ここでは利用明細でどこまで会社携帯の履歴がわかるのか、あるいは確認できないのか、その範囲を見ていきましょう。

履歴確認できる範囲

会社携帯を管轄している総務など管理部門では、インターネットで会社携帯の利用状況などの履歴をチェック可能です。例えば大手キャリアのソフトバンクの法人契約では、オンラインサービス「法人コンシェルサイト」を提供しており、登録すればパソコンからログインすることで下記の記録を確認できます。


  • 請求される利用料金
  • 通話履歴
  • インターネットに接続した際のウェブ閲覧やメール利用にかかったデータ量
  • インストールしたアプリの情報など

具体的には「ご利用料金分析サービス」から「通話明細」を選択すると、部署別・回線別などで以下のデータ一覧が提供されます。なお明細を入手するためには、通話明細オプション(有料)への加入手続きが別途必要です。

明細書名 確認できる主な内容
通話料明細書
  • 通話開始日時(発信履歴)
  • SMS送信日時
  • 通話時間
  • 相手先電話番号など
パケット通信料明細書
  • ご利用日
  • 通信種別(ウェブ、メールなど)
  • 通信データ量など
国際パケット通信明細書
  • 通信開始日時
  • 通信種別
  • 通信データ量など
国際電話サービス通話明細書
  • 通話開始日時
  • 通話時間
  • 相手先電話番号
  • 相手国エリアなど
世界対応ケータイ通話明細書
  • 通話開始日時
  • 通話時間
  • 相手先電話番号など
国際メール明細書
  • 相手先電話番号
  • 相手国エリア
  • 通信種別
  • 通信データ量など
コンテンツ情報料明細書
  • ご利用日時
  • 情報番組名
  • 情報提供者名など

履歴確認できない範囲

ここではソフトバンクの法人契約を例に、総務などの管理部門がチェックできない履歴を見ていきましょう。


  • 通話料がかからない着信履歴やSMS受信履歴等
  • 相手先アドレス(どのサイトを閲覧したか、誰とメールのやりとりをしたか)
  • LINEなどのチャットアプリ内のやりとり
  • ダウンロードした写真など画像・動画・ドキュメントファイルの内容

上記の情報については、会社の管理部門が通常の方法では確認できない範囲だといえるでしょう。

3.会社携帯の私的利用対策

会社携帯は会社の資産にも関わらず社員によって私物化されやすい特徴があるため、上述のリスクを回避するために、私的利用の抑止を目的とした対策が重要です。ここでは3つの対策ポイントをご紹介します。

(1)規定をしっかり作る

私的利用を抑止するために、まず運用に関する社内規定を策定し、会社携帯はあくまでも業務上の連絡手段としての貸与であることを周知しましょう。規定を策定すると、会社携帯の運用について社員の注意を喚起できます。


社内規定を策定する際に、検討すべき主なポイントは以下のとおりです。


  • スマートフォンの利用における禁止行為(正しい使い方を示し、私的利用は一切許可されていないことを明記)
  • 使用状況の監視・点検のために社員の利用記録を会社側が閲覧する可能性
  • スマートフォンのアプリ等の使用状況の確認のために端末そのものを差し押さえる可能性
  • 私的利用により職務に専念する社員の義務に違反した場合の懲戒規程

実際に規定が遵守されているかどうか、定期的なチェックも規定の策定同様に重要な業務です。私的利用が認められるケースでは上司から口頭で中止の要請をし、効果がなければ文書を送付するといった対応も必要になります。


なお中止要請の効果を高めるために、使用状況の調査と記録化など客観的な事実を積み上げることも大切です。客観的な事実の積み上げは、重たい処分を下さす際の理由づけにもなります。

(2)使用制限を付ける

総務など管理部門の監視業務の負担を軽減するために、MDM(モバイルデバイスマネジメント)の導入がおすすめです。スマートフォンなどモバイルデバイスごとの利用状況を把握できるほか、アプリの利用を業務上必要な機能のみに制限できます。

(3)セキュリティツールの導入

上述したMDMは、セキュリティツールとしても有効です。例えば、ソフトバンクが自社開発したクラウド型のMDM「ビジネスコンシェルデバイスマネジメント」なら、標準オプションとしてiosやAndroidの遠隔ロック・消去機能が搭載されています。万が一、社員が会社携帯を紛失した場合には、24時間365日運用を代行するヘルプデスクがリモート制御するので、個人情報漏えいを未然に防止可能です。さらに会社携帯ごと、社内の情報資産へのアクセスを許可するデバイス証明書を発行できるので不正アクセスを防止したいニーズにも対応できます。

4.まとめ

スマートフォンは便利で業務効率化に役立つ一方で、貸与した社員に管理を任せきりにしていると私的利用をしても大丈夫だと勘違いさせることがあります。その結果、通信コストが増大したり機密情報や個人情報が漏えいする可能性があるので注意が必要です。


そこで会社携帯を導入する際には社内で運用に関する規定をつくり、あくまでも業務上の連絡手段としての貸与だという共通認識をもちましょう。なおモバイルデバイスを一元管理できるMDMは、業務上必要な機能だけを使えるアプリの利用を制限したり、セキュリティツールとしても有効です。


携帯電話の法人契約をご検討中の方は、会社携帯の管理ノウハウをもつ弊社にぜひご相談くださいません。

【参考】

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