アルコールチェックを実施する安全運転管理者とは?役割を解説|ホワイト安全キーパー

アルコールチェックを実施する安全運転管理者とは?役割を解説

白ナンバー
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  • 2023年12月より、白ナンバー事業者においてもアルコール検知器を使用したアルコールチェックが義務化されました。

    営利目的で自動車を運転するわけではないのに、なぜ事業用自動車(緑ナンバー車)を扱う企業と同等の検査を行わなければならないのか。疑問を持つと同時に業務量が増えることに不満を抱く事業者の方もいらっしゃるでしょう。


    白ナンバー事業者のアルコールチェック義務化の理由は、飲酒運転撲滅の一環として自動車の使用目的に関係なく、従業員に自動車を運転させるなら事業者として飲酒運転をさせない努力をするのは当然の責務だからです。


    そこで、この記事では以下の4点についてご紹介します。


    • アルコールチェックの背景と歴史
    • アルコールチェックを実施する安全運転管理者とはどのような人か
    • 安全運転管理者によるアルコールチェックはどのようにするのか
    • 業務を怠るとどのような罰則を受けるか

    アルコールチェックの目的は、飲酒運転による悲惨な交通事故から従業員や一般人を守るためです。企業として当然のことを確実に行うために、ぜひ最後までご覧ください。

アルコールチェック義務化の変遷と背景 コラム1画像

アルコールチェック義務化の変遷と背景

自動車運送事業者に対するアルコールチェックに関する法改正等の歴史とそこに至る背景をまとめました。

2021年
6月28日
千葉県八街市で下校途中の小学生の列に飲酒運転の白ナンバートラックが突っ込み、5人が死傷。
事故当時、白ナンバー事業者はアルコールチェックの対象外だった。
2022年
4月~
自家用自動車を扱う事業者を対象に目視によるアルコールチェックを義務化
2023年
12月~
自家用自動車を扱う事業者を対象にアルコール検知器を使用してのアルコールチェックを義務化

アルコールチェックの義務化につきましては、こちらの記事で詳しくご紹介しております。あわせてご覧ください。

アルコールチェックを実施する安全運転管理者とは コラム2画像

アルコールチェックを実施する安全運転管理者とは

アルコールチェックの対象となる白ナンバー事業者とは「安全運転管理者を置く必要がある事業者」とされています。


  • 安全運転管理者とはどのような人?
  • うちの会社は安全運転管理者を置かないといけないの?
  • 安全運転管理者の選び方はどうすればいいの?

このような疑問にお答えするため、ここでは安全運転管理者に関するさまざまな情報をご紹介します。

安全運転管理者の主な業務とアルコールチェック義務化による変化

安全運転管理者の主な業務が、2023年12月施行のアルコールチェックに関する法改正の前後でどのように変わったかを記したのが下の表です。

2023年11月まで 2023年12月から
  1. 運転者の適性等の把握
  2. 運行計画の作成
  3. 交替運転者の配置
  4. 異常気象時等の措置
  5. 点呼と日常点検
  6. 運転日誌の備付け
  7. 安全運転指導
  1. 運転者の適性等の把握
  2. 運行計画の作成
  3. 交替運転者の配置
  4. 異常気象時等の措置
  5. 点呼と日常点検
  6. アルコール検知器を用いた運転前後の酒気帯び確認

  7. アルコールチェックの記録(1年)と常時有効性の確認

  8. 運転日誌の備付け
  9. 安全運転指導

2022年4月のアルコールチェック義務化から「運転者の酒気帯びの確認」「アルコールチェックの記録(1年)」は行われていましたが、そこへ「アルコール検知器を使用すること」が追加された形になります。


また、「常時有効性の確認」とは、アルコール検知器がいつでも正確に機能する状態かを確認し、必要なメンテナンスを適宜行うことを指します。

安全運転管理者の選任義務がある事業所の条件

安全運転管理者の選任が必要な事業所は、道路交通法74条の3第1項、道路交通法施行規則9条の8第1項により、以下のいずれかに該当する事業所とされています。


    《安全運転管理者の選任要件》

  • 乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用する事業所
  • 乗車定員10人以下の自動車を5台以上使用する事業所

なお、大型自動二輪車、普通自動二輪車は1台を0.5台と数えて上記要件に当てはめます。

安全運転管理者の要件

安全運転管理者には、一定の要件を満たしている人を選ぶ必要があると同時に選んではいけない人も規定されています。


安全運転管理者になれる人

安全運転管理者に選任されるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 20歳以上(副安全運転管理者を選任する場合は30歳以上)であること
  2. 自動車の運転管理に関する実務経験が2年以上あること。
    または、公安委員会によって同等以上の能力があると認定されること

安全運転管理者になれない人(欠格事項)

以下の要件(欠格事項)に該当する人は、安全運転管理者に選任できないとされています。


  1. 公安委員会によって、過去2年以内に安全運転管理者または副安全運転管理者を解任されている人
  2. 過去2年以内に、以下の違反履歴がある人
    • ひき逃げ
    • 酒酔い運転
    • 酒気帯び運転
    • 無免許運転
    • 麻薬等運転
    • 酒酔い運転または酒気帯び運転に関して、車両または酒類を提供する行為
    • 酒酔い運転または酒気帯び運転車両へ同乗する行為
    • 自動車使用制限命令違反
    • あおり運転などの妨害行為
安全運転管理者の選任を怠ると罰則がある コラム3画像

安全運転管理者の選任を怠ると罰則がある

事業所が安全運転管理者の選任義務を負うにもかかわらず、安全運転管理者を選任しなかった場合は、50万円以下の罰金が科されます。

その他にも以下に該当する場合、いずれも50万円以下の罰金が科されます。


  • 安全運転管理者の解任命令に違反した場合
  • 安全運転確保のための是正措置に従わなかった場合
  • 副安全運転管理者の選任義務があるにもかかわらず、副安全運転管理者を選任しなかった場合

安全運転管理者の選任につきましては、こちらの記事でもご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。

安全運転管理者によるアルコールチェックの実施方法 コラム4画像

安全運転管理者によるアルコールチェックの実施方法

自分の会社は安全運転管理者の選任が必要で、アルコールチェックが必要であることは理解したが、実際どうやればいいのだろう?という疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。


ここでは、このような疑問にお答えするために、アルコールチェックの実施方法をご紹介します。


  • 誰に
  • どのような検知器を使って
  • いつ
  • どうやって

上記の項目に沿って、しっかりチェックしていきましょう。

対象となる従業員

アルコールチェックの対象となるのは「事業所の業務のために運転する者」です。

注意したいのは、「車両の所有者」は対象になるか、ならないかの判断材料にならない点です。

業務に使われる車両によって所有者は変わります。


《車両の種類と所有者の関係の例》

車両の種類 車両の所有者
社用車 会社
レンタカー レンタカー会社
持ち込みのマイカー 持ち込んだ個人

事業所の業務のために運転する場合は、運転する車両の種類に関係なくアルコールチェックの対象になります。

たとえば、コンビニにお昼ご飯を買いに行くだけの目的で社用車を運転する場合はアルコールチェックの対象外ですが、得意先回りをするためにマイカーを運転する場合はアルコールチェックが必要です。

使用するアルコール検知器の条件

使用するアルコール検知器は、下記の2点を満たす機能を持つものとされています。


  • 呼気中のアルコールを検出できること
  • 呼気中のアルコールの有無や濃度を警告音、警告灯、数値等によって示す機能を有すること

○○メーカーの××というアルコール検知器を使いなさい、という個別具体的な推奨はされていません。

チェックを行うタイミング

アルコールチェックは「運転を含む業務の開始前や出勤時、および終了後や退勤時に行うことで足りる」とされています。つまり、1日の始めと終わりにすればいいということです。

例として、お昼に外回りから帰社し、昼食後に再び外回りに出る際にはアルコールチェックは不要です。

チェックのやり方

アルコールチェックは、事業所で運転者がアルコール検知器を使ってアルコールチェックを行い、測定結果を安全運転管理者に報告する対面での確認が基本です。

ただし、対面での確認が難しい場合を考慮した、いくつかのルールが存在します。


直行直帰の場合は遠隔でのチェックでもよい

運転者が直行直帰する場合のアルコールチェックは、遠隔での確認でもよいとされています。

具体的には、該当する従業員に携帯型アルコール検知器を携行させたうえで、


  • カメラ、モニター等で安全運転管理者が運転者の様子を目視等で確認し、かつアルコール検知器による測定結果を確認する
  • 携帯電話、業務用無線等によって、運転者と直接対話できる環境をつくり、安全運転管理者が運転者の声の調子等を確認し、かつアルコール検知器による測定結果を確認する

上記2つのいずれかの方法で確認することとされています。


出張時には出張先の安全運転管理者がチェックを行う

出張等でA営業所に所属する従業員がB営業所を起点に業務のために車両を運転する場合、アルコールチェックはA営業所の安全運転管理者と遠隔で行うのではなく、B営業所の安全運転管理者のもと、対面で行います。


アルコールチェックは安全運転管理者と対面で行うのが原則です。

複数の営業所を持つ会社では、運転者の所属営業所に関係なく、業務の起点となる営業所の安全運転管理者と対面で行うと覚えておくとよいでしょう。


担当者不在の場合は副安全運転管理者や補助者が実施する

安全運転管理者が担当営業所を留守にしている場合は、副安全運転管理者や補助者が業務を代行することとされています。


  • 安全運転管理者が有給休暇を取得している
  • 安全運転管理者が出張等で営業所に不在
  • 安全運転管理者が病気やケガ等、不測の事態で出勤できない

安全運転管理者が不在となるケースは意外と多いものです。

その場になって慌てないために、複数の人が確実にアルコールチェックを実施できる体制を整えておきましょう。

結果の記録方法

安全運転管理者はアルコールチェックの測定結果を記録し、1年間保管する義務があります。

記録する内容は以下の通りです。


  1. 確認者名
  2. 運転者
  3. 運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号または識別できる記号、番号等
  4. 確認の日時
  5. 確認の方法(対面でない場合は具体的方法等)
  6. 酒気帯びの有無
  7. 指示事項
  8. その他必要な事項

参考:警察庁「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令の施行に伴うアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認等について(通達)」(参照2023-12-28)


記録保管方法はとくに指定はありません。

点検記録簿を作成して手書きで保存、PCでフォーマットを作成して入力など自由に選べます。


おすすめはクラウド管理です。

アルコールチェックシステムをPCに導入するだけで、従業員がアルコール検知器を使って行ったアルコールチェックの測定結果を自動で記録・保存してくれます。

安全運転管理者は正しく機器を操作しているか見ているだけでよくなるため、安全運転管理者の業務効率化と負担軽減につながるでしょう。


弊社テレニシ株式会社では、事業用・自家用それぞれに対応したクラウド管理型アルコールチェックシステム「ホワイト安全キーパー」をご用意しております。

無料体験期間をご活用いただくことで、使い勝手をノーリスクで体験・確認したのちに導入が可能です。


  • 手書きの記録や管理が面倒と感じている
  • 簡単・確実にアルコールチェックを実施できる環境をつくりたい
  • 従業員の手間を最小限に抑え、他の業務に集中して欲しい

このようにお考えの事業者の方はぜひ「ホワイト安全キーパー」の導入をご検討ください。

安全運転管理者がアルコールチェック業務を怠ると罰則がある? コラム5画像

安全運転管理者がアルコールチェック業務を怠ると罰則がある?

2023年12月施行のアルコールチェック義務化に関する法改正で、安全運転管理者がアルコールチェック業務を怠った場合の罰則はとくに設けられていません。


しかし、従業員がアルコールチェックをせずに酒気帯び運転をした等により、安全運転管理者の管理状況が不適切と判断された場合、道路交通法によって安全運転管理者の解任や違反時に使用した自動車の業務利用停止などの罰則を受ける可能性があります。


そして、罰則より厳しいのが世間の目です。

飲酒運転による悲惨な交通事故事例により「飲酒運転は犯罪」は世間に浸透しています。

にもかかわらず、自分の会社の従業員が飲酒運転で事故を起こしたとなったら、事業存続が危ぶまれる事態にもなりかねません。


飲酒運転は一瞬で多くの人の人生を台無しにします。

誰一人悲しませることがないよう、アルコールチェック業務は確実に遂行しましょう。

まとめ:安全運転管理者を専任し、アルコールチェックを行おう コラム6画像

まとめ:安全運転管理者を専任し、アルコールチェックを行おう

安全運転管理者の業務とアルコールチェックについてご紹介しました。


安全運転管理者の仕事は、安全運転の視点から従業員の生活を守ること。

今回のアルコールチェック義務化は、安全運転の手段として飲酒運転撲滅に特化した内容といえます。


飲酒運転を0にできない理由はアルコールの分解能力に個人差があるからで、アルコールチェックの測定結果は従業員に自分の能力を理解させる材料として活用できます。


飲酒運転による交通事故の悲惨さはあらためていうまでもありません。

安全運転管理者を選任する必要がある企業はなぜ必要なのかを今一度確認し、誰一人として不幸にしない企業づくりを目指しましょう。


【出典】
「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令の施行に伴うアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認等について(通達)」|警察庁(参照2023-12-28)
【2023年最新】アルコールチェック義務化とは?検知器によるチェック義務化について解説|契約ウォッチ(参照2023-12-28)
安全運転管理者の業務の拡充等|警察庁(参照2023-12-28)
安全運転管理者制度の概要|警察庁(参照2023-12-28)
【社労士解説】アルコールチェック義務化に伴い企業が行うべき対応とは?|AIG損害保険株式会社(参照2023-12-28)
アルコールチェック義務化に関するQ&A|一般社団法人千葉県安全運転管理協会 (参照2023-12-28)
QA|警察庁(参照2023-12-28)

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