白ナンバーと緑ナンバーの違いは?
白ナンバートラックと緑ナンバートラックの違いを紹介いたします。
(1)運転前後のアルコール検査の違い
2021年時点では、白ナンバートラックには運行管理者を選任し、運転前後の検知器による飲酒検査(アルコールチェック)を実施する義務はありませんでした。しかし、2023年12月1日の道路交通法改正に伴い、白ナンバー車両を一定台数以上保有する事業所(=白ナンバー事業者)に対して、アルコールチェッカーを用いたアルコールチェックが義務化されました。
この背景には2021年6月の千葉で発生した白ナンバートラックの交通事故があり、事故を起こしたドライバーは飲酒運転でした。この事故がきっかけとなり、白ナンバートラックによる悲惨な飲酒事故をこれ以上起こさせないために、飲酒の確認ではアルコール検知器の使用を義務化する道路交通法施行規則の改正案が発表されました。
2024年現在、安全運転管理者の業務として、道路交通法施行規則第九条の十が以下のように改正されました。
- 運転前後に、運転者に対して目視およびアルコール検知器を使用して酒気帯びの有無を確認
- 目視およびアルコール検知器による確認の記録をデジタルデータや日誌等で1年間保存
- 正常に機能するアルコール検知器を常備
アルコールチェックの義務化につきましては、こちらの記事で詳しくご紹介しております。あわせてご覧ください。
(2)税金の違い
トラックには自動車税と自動車重量税というものがあります。自動車検査証上の最大積載量によって金額の詳細が異なっております。
自動車税
最大積載量 |
白ナンバートラック |
緑ナンバートラック |
2トン超~3トン以下 |
年間16,000円 |
年間12,000円 |
3トン超~4トン以下 |
年間20,500円 |
年間15,000円 |
3トン超~4トン以下 |
年間25,500円 |
年間18,500円 |
自動車重量税
最大積載量 |
白ナンバートラック |
緑ナンバートラック |
2トン超~2.5トン以下 |
年間13,200円 |
年間10,400円 |
2.5トン超~3トン以下 |
年間19,800円 |
年間15,600円 |
3トン超~4トン以下 |
年間24,600円 |
年間15,600円 |
上記の表を見て頂くと、どちらの税金とも白ナンバートラックの方が高いことが分かります。
ここで見ると緑ナンバートラックは税金も安く抑えられて、良いと感じます。
しかし、緑ナンバートラックを維持するために必ず5台を確保する必要があったり、次に紹介する点検整備のコストが白ナンバートラックよりかかってしまいます。
(3)点検整備のコストの違い
それでは点検整備のコスト面でも見てみましょう。
点検期間
0 |
白ナンバートラック |
緑ナンバートラック |
車両総重量8トン未満 |
6ヵ月 |
3ヵ月 |
車両総重量8トン以上 |
3ヵ月 |
3ヵ月 |
車両総重量により定期的に行う点検整備期間が異なります。
主に緑ナンバートラックは必ず3ヶ月に一回の整備管理が必要になります。
整備を怠ってしまうと道路運送車両法で定められていますので違反行為になりますのでご注意ください。
ちなみにトラックの車検費用は、大体の相場で大型トラックが200,000円~、中型が150,000円~、小型が100,000円~と言われております。
このように運送会社が緑ナンバーを取得・登録することのメリット・デメリットはコスト面での問題が大きいです。
もちろん従業員・ドライバー不足もありますが、運送業はたくさんの課題に直面していることは間違いないでしょう。