5.アルコール検知器の不正を未然に防ぐ方法
ここからは、アルコールチェックの不正防止策を7つご紹介します。
アルコールチェックを行う際のルールを明確にする
アルコールチェックの不正防止策1つ目は、ルールの明確化です。
アルコールチェックに関する一連の流れがわかるようなマニュアルを作るのがおすすめです。
マニュアルがあれば、検査に必要な作業の確認や新入社員の教育が容易になります。
誰もが「自分がやるべきこと」を認識できるように、ルールを明確化しましょう。
測定中の顔写真や動画を撮影する
アルコールチェックの不正防止策2つ目は、測定時の様子を映像に残すことです。
アルコール検知器には、事業所の特定の場所に設置する据置型と運転者に携行させる携帯型があります。それぞれの使用ケースと不正防止策を表にまとめました。
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据置型 |
携帯型 |
使用場所 |
事業所 |
直行直帰 事業所と車庫間 出張時 |
不正防止策 |
1.)周辺にカメラを設置し、アルコールチェックの様子が把握できるアングルで撮影・記録する
2.)アルコールチェックシステムによっては、PCカメラと連携し静止画が残せる機能があるので利用する |
携帯電話・スマホのカメラ機能で測定時の様子を撮影、管理者に送信させる |
安全運転管理者には、検査における酒気帯び確認内容の記録・保存が義務付けられていますので、測定時の様子は記録としてしっかり残しましょう。
測定結果の自動送信をする
アルコールチェックの不正防止策3つ目は、測定結果の自動送信です。
自動送信機能を備えたアルコール検知器を使えば、測定結果が即座に管理者に送信されますので、測定者が結果を改ざんする隙がありません。
自動送信機能を備えたアルコール検知器を使っていない場合、測定数値を撮影した画像を速やかに管理者へ送信させ、管理者は送られた画像と測定日時から不正の可能性を判断しましょう。
GPS機能を使用して位置情報を取得する
アルコールチェックの不正防止策4つ目は、GPSを利用した運転者の位置確認です。
GPS機能があれば運転者の行動が把握でき、業務と関係のない不自然な行動をしていないか確認できます。また、不自然な行動があった場合、速やかに当事者と連絡・状況の確認が可能です。
ただ、GPSによる管理は運転者に「監視されている感」を与えます。必要以上に本人へ位置情報に関する確認をすると職場の雰囲気を悪化させる要因にもなりますので、情報の活用には注意しましょう。
飲酒運転・酒気帯び運転の罰則を社内で周知する
アルコールチェックの不正防止策5つ目は、従業員との罰則・規則の共有です。
自動車の運転業務を伴う多くの企業では、就業規則に飲酒運転に対する規定があります。
就業規則は本来、全従業員が知っていなければならない「会社のルール」です。この機会にあらためて規則の共有をしましょう。
もし、明確なルールがない場合、速やかにルールを設け、就業規則を改訂することをおすすめします。
高性能なアルコール検知器を導入する
アルコールチェックの不正防止策6つ目は、高性能なアルコール検知器の導入です。以下のような機能が搭載されている検知器を使えば、前述した不正防止を1つのアルコール検知器で行えます。
- 測定時の自動撮影・記録機能
- 測定結果の自動送信機能
- GPS機能
また、後述するアルコールチェック管理システムに対応していれば、検査に関する安全運転管理者の負担を軽減できます。
アルコールチェック管理システムを導入する
アルコールチェックの不正防止策7つ目は、管理システムの導入です。管理システムを導入するメリットは以下のとおりです。
- 法令を遵守したアルコールチェックが可能
- クラウド管理で書類作成が不要
- 安全運転管理者の負担軽減
- 従業員教育などの費用削減 など
管理システムを導入すると、人に対する費用(人件費、教育費など)の削減、管理者の負担軽減といった実務面だけでなく、運転者の安全意識の向上も期待できます。
実際にアルコールチェック管理システムを導入した企業に導入前後の変化(複数回答による回答結果)を尋ねたところ、以下のようにさまざまな効果を実感された回答があがっています。