3.どれがいい?アルコールチェックの記録簿の記入・管理方法
では、アルコールチェックの記入と管理にはどのような方法があるのでしょうか。方法としては以下の3通りあります。
- 紙の記録簿
- ExcelなどPCを使った記録簿
- クラウドシステム(車両管理システム・スマートフォンアプリなど)
どの方法を使うにしても、記録の保管義務がある8つの項目を含む書式の記録簿を準備します。どれがいい?と聞かれたらクラウドシステム管理をおすすめしますが、大切なのはそれぞれにあるメリットとデメリットを理解したうえで使いやすい方法を選ぶことです。
ここでは、記録簿の基本的な使い方とメリット・デメリットをご紹介します。
紙に書いて記録する
紙を用いて記録する場合の流れは、以下のとおりです。
- 安全運転管理者立ち会いのもと、運転前・運転後それぞれにおいてアルコールチェックを行い、結果を記録用紙に記載する
- 記録用紙を安全運転管理者が回収し、記入の不備、未提出者の有無などを確認する
- 確認した記録用紙を月ごとにまとめて1年間保管する
記録用紙はひな型を印刷して使うのがおすすめです。書式に決まりはありませんので、記録の保管義務がある8項目が含まれているものをダウンロードして使いましょう。
紙で記録するメリット
紙の記録簿を使うメリットは「手軽さ」です。記録用紙があればすぐ記録できて、必要項目を書くだけのためメモ感覚でできます。また、運転者は高齢化の傾向にあります。PCが苦手という人も紙の記録簿なら苦手意識を持つことなく取り組んでもらえるでしょう。
紙で記録するデメリット
一方で、紙の記録簿は管理が難しいというデメリットがあります。
- 量が多くなると必要な情報をすぐ見つけだせない
- 文字が擦れて見えなくなる
- 用紙が破れてしまう
- 紛失のリスクがある
- 保管場所が必要
紙の記録簿はチェックを受ける運転者は楽ですが、管理する側に不便を感じる点が多いので、正直おすすめはできません。
Excelなどを使ってPCで記録する
次に、Excelなどを使いPCで記録する方法をご紹介します。大まかな流れは以下のとおりです。
- 安全運転管理者立ち会いのもと、運転前・運転後それぞれにおいて運転者にアルコールチェックを実施、安全運転管理者は結果をExcelシートに入力する
- 記録用紙を安全運転管理者が回収し、記入の不備、未提出者の有無などを確認する
- シートを日付別、運転者別、車両別など管理しやすいファイルごとにまとめて保存する
PCで記録するメリット
PCで記録するメリットは以下のものが挙げられます。
- 労力が少なくて済む
- データ管理が楽
- 複数拠点の記録が確認できる
- サーバー等に記録簿をアップロードすることでペーパーレス化に対応できる
運転者は記録簿の記入が不要になり、管理者はデータをファイルにまとめればよいので、Excelの利用は紙媒体に比べてアルコールチェックにかかわる人の労力が減ります。また、Excelの検索機能を使えば欲しい情報がすぐ取り出せるので、保管棚の前で必要な記録簿を探し、使ったらまたもとの場所に戻すなど面倒な作業が不要になるのです。
さらに、複数の営業所を持つ事業者の場合、各営業所のデータを共有しておけばすべてのデータを1台のPCで確認できます。他の営業所のデータが欲しいときも自分ひとりで調べられるので、従業員の負担を減らせるでしょう。
PCで記録するデメリット
Excelを使った記録によるデメリットとして予想されることとして、以下が挙げられます。
- 運転者が多いと管理者の負担は増える
- 対面ではないアルコールチェックの場合、虚偽の申告を見抜きにくい
- PCの故障や停電、サーバーダウンなどのトラブルに弱い
- 記録簿を複数名で共有する場合、サーバー等にアップロードする必要がある
アルコールチェックの結果を記録する人は、Excel入力の場合は安全運転管理者です。したがって、運転者が多い事業所でのExcelによる管理は、安全運転管理者の負担が大きくなります。
また、電話でのアルコールチェックなどの場合、運転者の虚偽申告を見抜きづらくなります。ビデオ通話機能を活用するなどの対策を取る必要があり、新たな手間やコストが生じてしまうかもしれません。
スマホアプリなどを使ってクラウドで記録する
紙やExcelによる記録・保管の弱点をカバーし、労力を軽減できるおすすめの記録方法が運行管理システムによるクラウド管理です。使い方は、基本的に運転者がシステムの案内に従ってアルコールチェックを済ませるだけ。結果は即時クラウドに記録・保管されます。
管理者はまとめられた情報から必要なときに必要な情報を確認するだけと、すべての人の労力が減らせて間違いも起こりにくい万全の体制を用意できます。
クラウドで記録するメリット
クラウド管理を導入するメリットは多々あります。
- アルコールチェックから記録、管理までがほぼ全自動かつ一元管理できる
- 記録漏れの心配が少ない
- 結果をExcelやCSVでダウンロードできるので、クラウドの保存期間が過ぎてもデータを保存できる
- リアルタイムで正しい検知結果が確認できる
- 不正ができない
- クラウド上に記録簿が保存されるので、手軽にペーパーレス化に対応できる
紙やExcelでの管理で抱えていた悩みのタネがほぼ解消され、アルコールチェックに費やしていた時間を他の業務に充てられるので、事業所の業務効率化に大きく貢献してくれます。
クラウドで記録するデメリット
クラウド管理を導入するデメリットは費用が発生する点ですが、出費に見合うだけの恩恵はしっかり受けられます。節約できた時間で費用以上の成果を出せると考えれば、システムの導入は儲かる可能性が高い株へ投資するようなものです。
従業員がストレスを感じることなく業務につけることを考えるとコスパは抜群に高く、実質デメリットはないといえます。
管理形態別メリット・デメリットまとめ
以下、内容をまとめると以下の通りです。
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