道路交通法施行規則の改正内容の概要
2021年6月28日に千葉県八街市で発生した交通死亡事故を受け、道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令が、同年11月10日に公布されました。
下校中の小学生の列に白ナンバーの大型トラックが突っ込み、5人の死傷者が出た事故を受けて検討された法改正案です。この事故において、運転手から基準値以上のアルコール反応が検知されたことが問題視されました。
一般的に緑ナンバーといわれる一般貨物自動車運送事業のトラックや旅客事業者のバスやタクシーでは運行管理者による点呼時のアルコール検査が義務化されているのですが、自社の荷物を運ぶための白ナンバートラックや営業利用などの社用車・営業車を所有している事業者には義務化されていなかったことから、飲酒運転撲滅のために法改正が検討されたのです。
この内閣府令を受けて、2022年(令和4年)4月1日から安全運転管理者の業務が拡充されました。これがいわゆる「白ナンバーのアルコールチェック義務化」と呼ばれる法改正です。
アルコールチェック義務化に対して対応が必要な白ナンバー事業所は、下記いずれかのケースです。
- 安全運転管理者等の選任を必要とする自動車5台以上を保有する事業所
※自動2輪車(原動機付自転車除く)は1台を0.5台として計算 - 乗車定員が11人以上の自動車1台を以上保有する事業所
上記に該当するものの、安全運転管理者をまだ選任していない企業・事業所は、安全運転管理者を選任する必要があります。
自動車の使用者は、安全運転管理者等を選任・改任・解任した場合や、届出事項を変更した場合には、変更等が生じた日から15日以内に事業所を管轄する都道府県公安委員会に届出するようにしましょう。