そもそも飲酒運転の種類とは
酒類を飲むと注意力が低下したり反応が鈍くなったりすることから、飲酒運転は道路交通法において重大な違反と見なされます。どのような運転が飲酒運転に該当するのかを理解しておくことは、事故防止や法律遵守のために非常に重要です。呼気から検出されたアルコール濃度により、違反となるかどうかの判断および違反点数が異なることを知っておきましょう。
飲酒運転の種類は、次の2種類です。
- 酒気帯び運転
- 酒酔い運転
酒気帯び運転および酒酔い運転には、行政処分の対象となる違反点数だけでなく、道路交通法違反に対する刑事処分としての罰金・罰則も規定されています。
ここではそれぞれについて、詳しく見ていきましょう。
酒気帯び運転の判断基準と罰則
呼気1L中から0.15mg以上のアルコールが検出されると、「酒気帯び運転」と見なされ違反となります。0.15mg未満では違反とは見なされませんが、注意力低下というリスクに変わりはありません。
酒気帯び運転の判断基準と罰則や処分内容は、次のとおりです。(道路交通法第65条、第107条に規定)
呼気1L中から 検出されたアルコール量 |
違反点数 | 罰金・罰則 | 行政処分 |
---|---|---|---|
0.15mg未満 | 酒気帯び運転には該当しない | ||
0.15mg以上0.25mg未満 | 基礎点数13点 | 3年以下の懲役または 50万以下の罰金 |
免許停止90日 |
0.25mg以上 | 基礎点数25点 | 免許取消 欠格期間2年 |
飲酒運転は、アルコール濃度と酔いの程度の双方の観点から判断されるので注意が必要です。たとえアルコール濃度は0.15mg未満であっても、お酒に弱く飲酒の影響が顕著であれば、後述する「酒酔い運転」と見なされます。
酒酔い運転の判断基準と罰則
前述の酒気帯び運転に比べ、酒酔い運転の違反点数は重たくなり、それに応じて行政処分も厳しい内容となります。(道路交通法第65条、第107条に規定)
呼気1L中から 検出されたアルコール量 |
違反点数 | 罰金・罰則 | 行政処分 |
---|---|---|---|
アルコール量の区分なし | 基礎点数35点 | 5年以下の懲役または 100万以下の罰金 |
免許取消 欠格期間3年 |
会社も責任を問われる?
従業員が飲酒運転が原因で業務中に事故などを発生させた場合、刑事責任、行政責任、民事責任を負うほか社会的責任を果たしていないとして信用を失くす可能性も出てきます。
会社が刑事責任を負う可能性があるケースは、次の2つです。
- 飲酒により正常な運転ができないと認識していながら、従業員に運転をさせた
- 上述のような状況での運転を容認していた
貨物運転事業者など業種によっては、行政処分として一定期間車両の使用停止や事業停止、営業許可取消処分等が下される可能性もあります。