2.アルコールチェック代行サービスのメリット・デメリット
ここでは、アルコールチェック代行サービスを利用するメリットとデメリットについて見ていきましょう。
アルコールチェック代行サービスのメリット
まずはメリットからご紹介します。
安全運転管理者の早朝・深夜の対応が減る
白ナンバー事業者によっては、早朝・深夜に運転者が頻繁に自家用自動車を運転するケースがあります。このようなケースでは、アルコール代行サービス利用のメリットは大きいでしょう。
アルコールチェックは、安全運転管理者による対面による対応が原則とされています。運転者自身が、アルコール検知器を使用して計測すれば終了するわけではありません。
飲酒運転による事故防止や交通安全を重視するため、運転者の状態をヒアリングしてチェックする者が必要になります。そのため安全運転管理者は、運転者の運行状況が早朝であれ深夜であれ対応するケースが発生します。
もちろん直行直帰など対面でのチェックが不可能なケースを踏まえ、スマホと携帯型アルコール検知器を携行させるなどして電話やモニターを通じた擬似対面形式のアルコールチェックも認められています。
しかし擬似対面とはいえ、安全運転管理者が対応することに変わりはありません。そこで代行サービスを利用すれば、安全運転管理者の早朝・深夜の対応を減らせる点が大きなメリットです。
アルコールチェック記録簿を管理する手間が省ける
安全運転管理者がアルコールチェック記録簿を管理する手間を省ける点も、大きなメリットです。
2022年4月1日施行の法改正によって、「酒気帯びの有無の確認及び記録の保存」が義務化されています。事業所内で選任された安全運転管理者が通常の業務に加えて、アルコールチェック結果内容の記録や情報をとりまとめるのは、業務負担を増加させます。
自社の人件費を節約できる
アルコールチェック代行サービスを利用すれば、自社の人件費を節約できる点もメリットです。
深夜や早朝の時間帯にもアルコールチェック業務の対応をするとなると、安全運転管理者の労務管理上、時間外労働となるケースが多いでしょう。
また、アルコールチェック代行サービスの中には、365日24時間コールセンターを稼働しているものもあります。
アルコールチェック代行サービスのデメリット
ここでは、アルコールチェック代行サービスのデメリットについて見ていきましょう。
コストがかかる
白ナンバー事業所によって自家用自動車の運行状況は異なりますが、運転者の数が多い企業には、社内でアルコールチェックを実施することをお勧めします。
アルコールチェク代行サービスは1コールあたりの単価が低コストでも、数が増えればそれなりのコストがかかりますので注意が必要です。
社用携帯の保持が必要になる
まだ運転者に社用携帯を貸与していない白ナンバー事業所では、運転者に社用携帯を準備する必要性があります。
アルコールチェック代行サービスの利用は、運転者がコールセンターに電話をかけることが前提です。個人携帯を利用すると電話料金の精算にまつわる問題が発生します。
また、疑似対面形式のアルコールチェックを導入する場合、ガラケーやガラスマには対応していないケースが多いため、iOSあるいはAndroidOS搭載のスマホを準備することをお勧めします。
連絡を怠る従業員の管理
中にはルールを守らない、あるいは忘れてしまい連絡を怠る運転者もいます。社内で取り決めたルールを遵守しない運転者の管理は、代行サービスの利用においては大きな問題といえるでしょう。
「酒量が少ないから大丈夫」と運転者が勝手に判断して運転し、事故を起こせば大問題になります。運転者の交通安全への意識は、アルコールチェック代行サービスを利用するだけでは向上しません。