
1.建設業界の将来性はやばい?未来はない?
建設業の未来は明るくない、という声をよく聞きますが実際はどうなのでしょうか?
未来を考えるには、まず建設業界の「今」を把握しなければなりません。ここでは建設業界の現状をご紹介します。
国際的な競争力が低下している
2024年1月末時点での建設業の状況は以下の通りです。
左右にスライドすると表を見ることができます
倒産件数が3年ぶりに増加 | 2022年度の倒産件数は1,291件。工期の長期化・人手不足、資材の高騰に加え、資金繰り支援の終了が重なったことで、2020~2021年度の歴史的低水準から急増しました。 |
建設投資額は増加傾向 | 建設業界全体の仕事は増えていますが、採算が取れない状況にあります。その原因として、受注競争の激化や資材価格の高騰など、建設コストの上昇が挙げられます。特に資材価格は、ウクライナ情勢の長期化や円安の進行によって2020年後半から急騰しています。 |
就業者の減少と高齢化が進む | 平成初期からの約30年で就業者数は約200万人減少しました。技術を持った職人の不足が問題視されています。また、異なる産業に比べても高齢化の進行が著しく、全就業者の3割以上が55歳以上、29歳以下は1割程度にとどまっています。 |
労働時間は減少傾向 | 年間総労働時間は平成初期から令和3年にかけて約50時間されています。しかし、全産業平均の削減幅に遠く及ばず、世間の流れにはまだ追いついていません。建設業界には景気のけん引役としての期待が寄せられています。現状は厳しいものの、建設業は常に経済効果の源として注目されています。たとえば、2024年開催予定の大阪万博では、会場施設や周辺の宿泊施設などの需要が高まり、業界の景気向上が見込まれます。さらに、イベント終了後も会場は多目的施設として多様な需要に応えるため、建設業が経済に与える影響は大きいものとなるでしょう。 |
建設業界には景気のけん引役を期待されている
現状、建設業界を取り巻く環境は厳しいですが、あらゆる産業から建設業は景気のけん引役として期待されています。その理由として、経済効果の源には常に建設業が存在するからです。
2024年開催予定の大阪万博を例にすると、まず会場施設、周辺の宿泊施設などの建設需要が生まれ、建設業の景気上昇が見込まれます。
次に会場や宿泊施設で働く人や会場の利用客を運ぶ交通機関など、他産業に対する需要も生まれるでしょう。
イベント終了後も会場は多目的施設などとしてさまざまな需要に応えていきます。こうして建設業が何かをつくると経済効果が多くの産業に広く伝わるため、建設業は常に景気の火付け役として期待されているのです。