傭車とは?
傭車とは、運送会社が自社のトラックとドライバーだけで業務に対応できないとき、別の業者に輸送を委託する、もしくは車両を借りることです。
「お金で雇われた兵士」を意味する傭兵という言葉を聞いたことはありませんか。兵士は通常、自国のために戦いますが、傭兵はより高いお金を出してくれる国や組織のために戦う兵士です。同様に、傭車はより高いお金を出してくれる運送会社のために走る車、と考えるとわかりやすいでしょう。
なお、傭車は造語なので辞書等で検索しても見つかりません。
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労働時間の上限規制に対処するため、毎日のスケジュール調整に苦労されている運行管理者の方は多いのではないでしょうか。しかし、人手が足りなくても傭車を上手に使うと労働力は確保できます。
人手と仕事、お互いの足りない部分を補えば、悩みを解消しつつ利益を得られるでしょう。そこで今回は、傭車を利用するメリット・デメリットと利用コストを抑える方法をご紹介します。
傭車とは、運送会社が自社のトラックとドライバーだけで業務に対応できないとき、別の業者に輸送を委託する、もしくは車両を借りることです。
「お金で雇われた兵士」を意味する傭兵という言葉を聞いたことはありませんか。兵士は通常、自国のために戦いますが、傭兵はより高いお金を出してくれる国や組織のために戦う兵士です。同様に、傭車はより高いお金を出してくれる運送会社のために走る車、と考えるとわかりやすいでしょう。
なお、傭車は造語なので辞書等で検索しても見つかりません。
傭車を利用する理由は、自分の会社の車両やドライバーが足りず、請け負った業務をこなせないからです。具体的には、以下の3つのケースで利用することが多いです。
傭車を利用するケース1つ目は、繁忙期に人員を確保したいときです。
運送会社は人や車を余らせたくありません。稼働しない人や車は売上をあげてくれないからです。そのため、運送会社としては、雇用や車の所有は最低限に抑えられるのが理想です。
しかし、輸送の需要は一定ではありません。とくに、大型連休(GW、お盆、年末年始)の前後は輸送の需要が増加し、ギリギリの人と車で営業している運送会社は対応しきれないことがあるでしょう。
そこで傭車を利用することで、必要なときだけ人員と車両を増やし、増えた需要に対応します。
傭車を利用するケース2つ目は、イレギュラーな業務に対応するときです。
これらの突発的な事象は自社で対応できない場合があります。もともと休みのドライバーや運行管理者を急に出勤させるのは難しいですし、仮に出勤できたとしても予想外の労働により後の人員管理が難しくなる可能性があるからです。
このようなとき、自社で無理に解決しようとせず、傭車を利用すると人員確保や労務管理の負担を抑えられる場合があります。金銭面の負担は増えますが、お金以外の負荷は大きく減らせるでしょう。
傭車を利用するケース3つ目は、自社で対応できない業務を依頼する場合です。
このようなとき、長距離輸送が可能な車両、特殊車両を所有している傭車などを利用すれば、取引先のニーズに広く対応でき、さらに頼りにされるかもしれません。
傭車を利用するメリットは、主に以下の3つがあります。
それぞれ解説します。
傭車を利用するメリット1つ目は、コストの抑制です。
自社でドライバーを雇ったり、車両を所有したりすると人件費や維持費がかかります。傭車を利用すると、契約にもよりますが外注費のみの負担で済むため、コストを抑えられる可能性があります。
恒常的な業務には自社の車両とドライバーで対応し、繁忙期の需要増などによる対応は傭車と使い分けると、コストを抑えて利益を減らさずに済むでしょう。
傭車を利用するメリット2つ目は、対応力のアップです。
傭車として自社を助けてくれる運送会社を見つけておくと、イレギュラーな業務にも慌てることなく対応できます。
大きな取引先からの依頼は、無理とわかっていても断りにくいものです。自社で対応できない業務に対応可能な傭車と繋がりをもっておくと、大切な取引先のニーズに応えられ、さらに大きな信頼を得られる可能性があります。
傭車を利用するメリット3つ目は、顧客の拡大です。
請け負える業務の幅が広がれば、既存客からの依頼だけでなく、既存客が取引先を自社に紹介してくれる可能性も出てきます。紹介であれば一から営業する場合に比べて契約に至る可能性は高いでしょう。
傭車は上手に使うと頼もしいパートナーになってくれますが、メリットばかりではありません。
ここでは、傭車の利用によるデメリットを3つご紹介します。
傭車の利用によるデメリット1つ目は、ドライバーの教育ができないことです。
傭車のドライバーは、元をたどれば他社のドライバーです。仕事を依頼するときに自社のルールを伝えても、すぐに対応できるとは限りません。
たとえば、積込時に専用の端末を使って伝票のバーコードを読み込む必要がある場合、端末をすぐに使いこなせず入力ミスなどのトラブルにつながる可能性があります。
また、教育するために多くの作業や注意点を指示してしまうと、運賃と仕事内容が釣り合わないとして後の仕事を敬遠されるおそれもあり、自社ドライバーに比べどこまで仕事を任せてよいかの判断が難しいケースもあるでしょう。
傭車の利用によるデメリット2つ目は、業務の責任は依頼元、すなわち自社にあることです。
傭車が荷物を破損したり紛失したりした場合、代替品の手配や費用の負担は依頼元である自社が負担するのが一般的となります。一方、交通事故など車両が関わる事故は傭車側が責任を負うことが多いです。
業務上のトラブルの責任は基本的に依頼元である自社が負いますが、明らかに傭車に落ち度があるケースもあるでしょう。責任の所在は言った言わないの水掛け論を避けるために、契約書に明記しておくことが大切です。
傭車の利用によるデメリット3つ目は、運行状況の把握と管理が難しい点です。
傭車との連絡手段は電話連絡になるケースが多いです。しかし、運転中は電話に出られないため、連絡がいつもすぐに取れるとは限りません。
自社車両に便利な配送管理システムを導入していても、傭車は無関係です。現在地や作業の進捗が確認できず、顧客からの問い合わせへの対応が遅れるなど自社配送に比べてトラブルが増えるリスクは高くなります。
傭車が行う業務の責任が基本的に自社にあるなら、点呼も自社で行わなければならないのでしょうか。
結論から申し上げると、傭車ドライバーに対するアルコールチェックを自社で行う必要は原則ありません。傭車ドライバーは、自分の会社で点呼やアルコールチェックを受けてから出発しているはずだからです。
しかし、自社の業務を委託しているため、傭車の飲酒運転が発覚した場合、自社の管理責任を問われる可能性が出てきます。
法律上、過失がなくても風評被害によって後の契約などに影響が出ることは十分考えられます。可能な限り安全確保に努めていることを示すために、自社でもアルコールチェックに協力してもらうとより安心です。
繁忙期の業務量増加やイレギュラーな仕事への対応に傭車を使っているが、コストや手配の手間、自社社員では起こらない思わぬトラブルにお悩みの事業者の方も多いのではないでしょうか。
そのお悩み、弊社の「IT点呼キーパー」が解決できるかもしれません。
不測の事態が生じた場合、急にドライバーや運行管理者を出勤させると人件費や労働時間の増加が問題になるため、傭車を利用した方がよい場合があるとご紹介しました。
しかし、IT点呼キーパーを導入すれば、複数拠点の点呼をひとりの運行管理者が統括して行えるようになるため、傭車を利用するよりさらにコストを抑えられるかもしれません。
実際にIT点呼キーパーを導入された企業様から傭車依存が解消されたお声をいただきました。是非こちらの導入事例もご覧ください。
自社社員による対応は顧客に安心を与え信頼されます。低コストで顧客からの信頼を集められるIT点呼キーパーの詳細は以下のページからご確認いただけます。
傭車は自社の車両やドライバー不足を補ってくれる頼もしい存在です。長期的に利用すれば、自社のルールに合わせて作業をしてくれるケースも少なくありません。
しかし、傭車はあくまでも同業他社の車とドライバーです。些細な理由で契約が途切れる可能性もあるため、依存度が高いといざ頼れなくなったときに慌てることになります。
社員が意欲をもって業務に取り組める環境づくりに努めつつ、適材適所に傭車を投入できる体制を整えておきましょう。
【出典】
繁忙期の助けとなる傭車(ようしゃ)とは? メリットを理解して運送業務を合理化しよう!|株式会社ゼンリンデータコム(参照2024-04-02)
物流を支える陰の立役者庸車(傭車)知っていますか?繁忙期の味方、庸車について詳しく説明します!|ジオテクノロジーズ MAP WORLD+(参照2024-04-02)
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