ライドシェアとは?
ライドシェアは、乗るという意味の「ride(ライド)」と共有を意味する「share(シェア)」を組み合わせた造語であり、一般の運転者が自家用車で利用者を送迎する運送サービスです。日本でライドシェアが解禁されることの影響を理解するためには、そもそもどのようなサービスなのか理解しておく必要があります。
まずは、ライドシェアの仕組みや似ているサービスとの違い、市場規模について解説します。
ライドシェアの仕組み
ライドシェアには、目的地が同じ人々が相乗りし、運転者が無料で送迎、または有料で送迎する2つのタイプがあります。日本では、タクシーや運転代行などの旅客運送に必要な普通二種免許を取得していない限り、有償運送はできません。そのため、有料のライドシェアの実施は規制されています。
しかし、タクシードライバーの人手不足や地方都市でのバス路線廃止などの背景からライドシェアの注目が高まり、規制緩和や解禁の議論が行われるようになりました。
カーシェアリングとの違い
カーシェアリングは、自動車を不特定多数の人と共有して使用できるサービスです。自動車を利用したい人と空いている自動車をマッチングさせるサービスであり、登録した会員同士で貸し借りできるケースや個人間で自動車の貸し借りをサポートするサービスもあります。
ライドシェアは、相乗りして目的地まで移動することが目的なので、利用者のマッチング相手は一般の運転者になるのが大きな特徴です。カーシェアリングは自分で運転したり、運転者を確保したりしなければなりませんが、行先は自分自身で自由に変更できます。
カーシェアリングは、どちらかというとライドシェアよりもレンタカーに近いサービスです。レンタカーは数時間から月単位で自動車を貸し出すことができ、状況に合わせて料金プランを用意しています。カーシェアリングは、ステーションにある車を利用したい時間帯に借りることができ、10~15分刻みの短時間で利用できるなど、レンタカーとは細かな違いがあります。
白タクとの違い
白タクシー(白タク)とは、白色ナンバーで個人の旅客運送を行うタクシー事業者のことです。本来、タクシー営業を行うには国土交通大臣から許可を得る必要があり、許可があるタクシーは緑ナンバーが取り付けられています。白タクは許可を得ずに営業している違法タクシーなので、利用には注意が必要です。
なお例外として、国土交通大臣の登録を受ける市町村・非営利団体が運営する自家用有償旅客運送があります。バス・タクシーなどの移動サービスが不十分な過疎地域などに限られますが、自家用有償旅客運送では自家用車を使った有償の運送サービスが認められています。
人を目的地まで送るという点では、白タクとライドシェアの目的は一緒です。しかし、ライドシェアは国から許可を得て行う事業であるため、白タクと違って違反行為には該当しません。
ライドシェアの市場規模
ライドシェアはアメリカをはじめ海外では広く広まっており、2024年の世界のライドシェア市場規模は1,177億米ドルになると見込まれています。2032年までには4,360億米ドルになると予想されており、成長が期待される市場です。
【出典】:【2024年】ライドシェアの市場規模|株式会社カスタメディア(参照2024-05-10)
日本では完全に解禁されたわけではないため、どこまで市場が大きくなるかは未知数です。しかし、以前から自家用有償旅客運送の制度を利用し、有料のライドシェアの導入や実証実験を行う自治体がいくつか存在します。そのため、ライドシェアにニーズがあると感じている自治体もあり、本格的に解禁が進めば導入率や市場規模は伸びていく可能性があるでしょう。