血圧測定の重要性
マネジメント
- 近年、高血圧の運転者に突然発生する病気が起因となる交通事故のニュースを耳にすることが増えているのではないでしょうか。そこで今回のコラムでは、点呼時の血圧測定の健康状態を把握するための有益な情報をお伝えしていきます。
高血圧における運転事故のリスク
国土交通省が提示している運転者の健康状態に起因する事故報告件数の推移の資料によると、近年において、健康起因事故の運転者の疾病別内訳は心臓疾患・脳疾患の割合が1位2位となっており合わせて約3割に達しています。また、運転中の意識障害等により、運転操作が不能となった事案の報告件数も心臓疾患・脳疾患の割合が上位を占めています。
高血圧の場合、この2大疾患の発症リスクが高いと言われており、もし、運転中に発症した場合、高確率で事故になることが予想されるため、運転者の血圧の把握、管理はとても重要といえます。
罰則の強化
2018年7月より、自動車運送事業者への行政処分基準の内容の1つに、過労防止関連違反による車両停止等の処分量定の引き上げが行われました。
健康状態に関わる項目を抜粋したものが以下の表になります。
改正前
健康状態の把握義務違反 |
把握不適切50%未満 |
警告 |
把握不適切50%以上 |
10日車 |
改正後
疾病・疲労等のおそれのある乗務 |
健康診断未受診者 1名 |
警告 |
健康診断未受診者 2名 |
20日車 |
健康診断未受診者 3名以上 |
40日車 |
改正前は健康状態の把握不適切の50%以上で車両停止の罰則が決定されていましたが、改正後は健康診断の未受診者が2名から車両停止罰則が決定されるよう変わりました。
また、3名以上の場合は更に期間が長くなり40日車の停止処分となり、運転者の健康状態をよりしっかりと把握しなければならないものへと変化しているのがわかります。
血圧計導入促進助成事業
全日本トラック協会においては、過労死や健康起因事故につながる、脳・心臓疾患発症の要因となる高血圧の予防には血圧測定が重要と捉えており、血圧計の普及を図るため、乗務前点呼における血圧測定に活用できる高機能な血圧計の導入助成事業を毎年実施しています。
もし、血圧計の導入を検討されている場合はご利用することをお勧めします。
2019年度血圧計導入における 助成内容(一部抜粋) |
助成対象機器 |
管理医療機器かつ特定保守管理医療機器である全自動血圧計(業務用) |
助成額 |
機器取得費用の1/2、上限5万円 |
対象 |
各都道府県トラック協会の会員である中小企業者(資本金3億円以下または従業員300人以下)が対象 1事業所 1台 |
※詳細内容は全日本トラック協会のホームページにアクセスしてご確認ください。
IT点呼キーパー血圧計連携
弊社においても乗務前点呼における血圧測定は、運転者の自己申告による健康状態の把握以上の体調管理を行うことができ、健康起因事故の防止につながるものとして重要視しておりました。
そのような思いから2019年12月より、自動血圧計の主要メーカーであるオムロン社、エー・アンド・デイ社、タニタ社と連携し点呼時に血圧測定値を自動で取り込むことができるように対応いたしました。
血圧計と連携することでIT点呼キーパーの管理画面で血圧測定結果を確認できるようになるので、パソコン画面だけではなくスマホ画面でも血圧測定結果を把握することができます。IT点呼キーパーの使い道が広がりますね。
詳細内容については別途ページにて掲載しております。下記リンクからご確認ください。
おわりに
今回、運送業を取り巻く血圧測定に関する情報として少しでもお役に立てれば幸いです。
今後も、運送業の課題として健康管理は重要なテーマとして取り扱われていくと思います。
この機会に運転者の事故の防止や、健康管理、及び意識向上の為、点呼における血圧測定の導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
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