貸切バスとは
貸切バスとは、指定した目的地に乗客を運んでもらうために、個人や団体が借りる運転者付きのバスです。
- 旅行会社が企画するツアー
- 学校の修学旅行
- スポーツの合宿、試合遠征
など、自分たちのグループのために動いてもらうように契約したバスが該当します。
複数の目的地を順番に回る場合、公共交通機関だと何回も乗り換えが必要であったり、遠回りになったりするなど何かと不便が生じますが、貸切バスを借りればスケジュールを自由に決められ、仲間内だけで気楽に移動することが可能です。
貸切バスは、正式には「一般貸切旅客自動車運送事業」といい、「一個の契約により国土交通省令で定める乗車定員以上の自動車を貸し切って旅客を運送する一般旅客自動車運送事業」と定義されています。
※「旅客運送法第3条1項のロ」参照
特定バス(特定旅客自動車運送事業)との違い
特定バスとは、「特定の者の需要に応じ、一定の範囲の旅客を運送する旅客自動車運送事業」と定義されており、スクールバスや会社の従業員の送迎バスが該当します。
※「旅客運送法第3条2項」参照
<貸切バスと特定バスの3つの違い>
- 契約できる顧客の数
- 運送できる乗客の範囲
- 運送経路の設定
まず、契約できる顧客の数について、特定バスは1企業、1つの学校など単数のものに特定されるのが基本であるのに対し、貸切バスは不特定多数のもの(団体)との契約が可能です。
次に、運送できる乗客の範囲について、特定バスは一定の範囲に限定されます。契約対象が1企業など単数のものに特定されているため、乗客もその企業の従業員などに限定されるわけです。
貸切バスも乗客は貸切契約した顧客(団体客)に限られますが、貸切契約を結べば顧客の範囲を広げられる点が異なります。
最後に、運行経路の設定について、貸切バスは営業区域内であれば目的地への運行ルートは自由に決められるのに対し、特定バスは運行ルートをあらかじめ設定する必要があります。
貸切バス運転者の1日の業務の流れ
制度改正によって何がどう変わるのかを把握するには、まず現状を知る必要があります。
ここでは、貸切バス運転者の1日の業務(日帰り運行)内容をご紹介します。
<貸切バス運転者の1日(日帰り業務)>
出社時 |
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出庫前 |
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配車 |
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休憩 |
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立ち寄り地~旅程終了 |
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帰庫~退社 |
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1日の業務における運行や休憩、全体の拘束時間そして休息期間まで、あらゆる時間は改善基準を守らなければなりません。