3.マイカー通勤を認めるにあたり必要なポイント
ここでは、マイカー通勤を導入するにあたりリスクから中小企業を守るための注意点など、検討すべきポイントをご紹介します。
(1)マイカー通勤規程の制定
まずはじめに、マイカー通勤に関連する運用ルールとして、自動車通勤管理規程を策定するのがおすすめです。賠償責任などのリスクを回避するために就業規則などでマイカー通勤を禁止することも可能ですが、導入するのであれば許可制にすると良いでしょう。
マイカー通勤は、公共交通機関を使って通勤できない理由のある従業員のみに認める許可制とするのがポイントです。密を回避する方法として導入するのであれば、許可する際の要件や期間を定め許可証を発行するなどして管理を徹底させましょう。
他にもルール策定の際に検討したいポイントは次のとおりです。
- 業務使用を禁止し、誓約書を提出させる
- マイカー通勤中の事故は原則、運転者本人が責任を負うと労働者の責任の範囲を明確にする
- 労使どちらが駐車場代やガソリン代の費用を負担するのか、またその金額について明記する
なお自動車通勤者の通勤交通費は、一般的に次のような数式で算出されます。
1kmあたりのガソリン単価 × 片道の通勤距離 × 2往復
ガソリン単価は、燃費とガソリン代から判断すると良いでしょう。国税庁のタックスアンサーNo.2585で、片道の通勤距離により非課税限度額が示されています。通勤手当を判断する際の基準になるので、確認してみてください。
(2)任意保険への加入
自動車通勤を許可する上で大前提となる運転免許証や任意保険の加入については、定期的に有効性をチェックすることも重要です。
社内ルールで、免許証の原本確認と自動車保険証書等の写しの提出も義務化するようにしましょう。
検討すべき点が多いことから、弁護士にもよく相談した上で自動車通勤管理規程を策定するのがおすすめです。
(3)従業員教育
安全運転のための従業員教育も重要なポイントです。交通ルールの遵守や車両整備の必要性などの注意を喚起するなど、事故防止に向けて会社全体で取り組みましょう。最寄りの警察署の協力を得て、定期的に講習会を実施することも検討してみてください。
①従業員の運転見える化
従業員が交通ルールを守っているかどうか、運転の改善ポイントを見える化すれば運転の改善指導につなげられます。集めたデータをもとに、ドライバーへの教育や人事評価に活かすことで危険運転を防止し、交通事故を未然に防ぐ方法です。法令を遵守しコンプライアンスを強化すれば、企業イメージを向上させることにもつながるでしょう。
②運転前のアルコールチェック
2023年12月1日から、白ナンバー事業者様に対してアルコールチェックの記録保管やアルコールチェッカーを使用した検査が義務化されました。交通事故につながりやすい飲酒運転は重大な過失とみなされ、自動車保険の支払いが制限されます。
弊社のホワイト安全キーパーは、白ナンバー事業者様の「現場の状況に合わせたアルコールチェックを行い、効率よく運行・管理を行いたい」と言うご要望から生まれた飲酒検査クラウド管理システムです。アルコールチェック・運転日報の作成・車両管理が簡単に行えます。IT機器(スマートフォンやパソコンカメラ、アルコール検知器等)を使うことで、営業所や拠点以外でも疑似対面でアルコールチェックを実施することができます。
また、スマートフォンを利用したアルコールチェック機能により、営業所や事業拠点以外でもアルコールチェックをして酒気帯び有無を確認することが可能です。アルコールチェックの結果は自動でクラウドに保存されるので、不正防止や管理業務の効率化につながります。従業員が希望する直行直帰のニーズに応えられるのもポイントです。
詳しい内容を聞きたい法人様は、ぜひ弊社までお問い合わせくださいませ。
【出典】
災害に備えた鉄道の計画運休時 における時差通勤・テレワーク活用のお願い│国土交通省
コロナ対策に有効か、否かーー社員のマイカー通勤で気をつけるべきこととは|SmartDrive
3つの密を避けるための手引き│首相官邸
No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当|国税庁
労災保険給付の概要│厚生労働省
マイカー通勤事故と企業リスク【企業リスクの防衛策】│公益社団法人熊本県精神科病院協会
自家用車による退勤途中の交通事故につき使用者責任が認められた事例|弁護士法人 大野慶樹法律事務所
交通事故の民事責任② ~運行供用者責任~│小西法律事務所
【弁護士解説】マイカー通勤を導入する際の企業のリスクとは?│AIG損保
マイカー通勤と会社の労務リスク│事故発生時に会社が責任を負うのはどんなとき?│たくみ法律事務所
事故相手が飲酒運転だった場合の自動車保険の補償│自動車保険の三井ダイレクト損保