道路交通法改正によるアルコールチェック義務化とは?
まず、道路交通法改正により、白ナンバー事業者に義務付けられたアルコールチェックについてご紹介します。
以下の3点がわかります。アルコールチェックの重要性と自社が対象になるのかをご確認ください。
- アルコールチェック義務化に至る経緯
- 法令が適用される事業者の範囲
- アルコールチェックの具体的な内容
道路交通法改正の背景
飲酒運転による死亡事故は度重なる法改正により減少傾向にありますが、いまだにゼロにはできていません。
【出典】:飲酒運転による死亡事故件数の推移|警察庁(参照2024-12-10)
このような状況で2021年6月、千葉県八街市で下校中の小学生がトラックにはねられ、5人が死傷した事故が世間の注目を集めました。
トラックは当時アルコールチェックが義務付けられていなかった白ナンバー車。
事業者もアルコールチェックを行っていませんでした。
遺族に残ったのは「飲酒運転の車に子供の命を奪われた」という事実と、「ナンバーの色で飲酒運転を防ぐルールが異なるのはおかしい」という憤りです。
同様の事故を二度と起こさないために、2022年4月より白ナンバー車を扱う事業者にもアルコールチェックの義務化が拡大しました。
アルコールチェックの対象者
アルコールチェックは2022年3月まではトラックやバス、タクシーなどの緑ナンバー事業者が対象でしたが、2022年4月から一定台数以上の白ナンバー車を使用する事業者にも実施が義務付けられました。
下記条件のいずれかを満たす事業者は安全運転管理者選任事業所と定められ、所定のアルコールチェックを実施しなければなりません。
- 乗車定員11人以上の自動車を1台以上保有
- 1.以外の自動車を5台以上保有
※注意点
- バイクは1台あたり0.5台としてカウントすること(原動機付自転車は計算の対象外)
- 1事業所(支店・営業所)ごとに算出すること
2022年4月にスタートした白ナンバーのアルコールチェックの内容
白ナンバー車を使用する事業者に対するアルコールチェック義務化は2022年4月から始まりました。
アルコールチェックの内容は以下の通りです。
- 運転前と運転後に、運転者の酒気帯びの有無を目視等で確認すること
- 確認内容を記録し、記録は1年間保管すること
2023年12月から義務付けられる検知器を用いたアルコールチェックの内容
義務化当初のアルコールチェックでは、酒気帯びの有無の確認方法が「目視等」だったため、顔が赤くなるなど飲酒の症状が出ない人の酒気帯びを見抜けない可能性がありました。
そこで、2023年12月からアルコールチェックの際にアルコール検知器の使用が義務付けられ、内容も以下の通り改められました。
- 運転前と運転後に、運転者の酒気帯びの有無を目視等で確認すること
- 酒気帯びの有無は国家公安委員会が定めたアルコール検知器を用いて確認すること
- アルコール検知器は、常時有効に保持すること