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働きやすい職場認証制度について|IT点呼キーパー

働きやすい職場認証制度について

法改正・規則
  • 働きやすい職場認証制度について TOP画像
  • 本制度は、平成30年6月より、国土交通省が旗振り役となり『自動車運送事業のホワイト経営の「見える化」検討会』において議論が行われ、制度設計について進められました。


    平成31年6月に報告書が取りまとめられ、令和2年8月、国土交通省が、自動車運送事業(トラック・バス・タクシー事業)の職場環境改善に向けた各事業者様の取組みを「見える化」することで、求職者の運転者への就職を促進し、各事業者様の『より働きやすい労働環境の実現』や『安定的な人材確保の取組みを後押し』することを目的とし「働きやすい職場認証制度」を創設しました。


    今回は、国土交通省より令和4年12月16日に発表された、自動車運送事業者のための「働きやすい職場認証制度」にかかる最新情報をご紹介します。

「働きやすい職場認証制度」とはコラム1画像

「働きやすい職場認証制度」とは

「働きやすい職場認証制度」とは、仕事を探している人に運転者としての就職を促進するために、職場環境改善に向けたトラック・バス・タクシー事業者の取り組みを「見える化」する制度です。正式名称は、「運転者職場環境良好度認証制度」となります。

令和4年度から新たに導入された「二つ星」

制度が徐々に浸透してきたことを受けて、令和4年度から新たに「二つ星」認証が導入されています。制度が始まったばかりの令和2・3年度においては、申請できる認証は「一つ星」のみでした。


「二つ星」認証導入は、すでに認証を取得した事業者がより高い水準を目指して取り組むよう促すことを目的としています。


国土交通省の発表によると、「一つ星」認証の審査に合格した事業者の数は3,278社にのぼりました。事業者ごとの内訳は次のとおりです(令和4年12月16日現在)。

自動車運送事業 「一つ星」
認証事業者の数
トラック事業者 2,319社
バス(貸切・乗合)
事業者
219社
タクシー事業者 740社
出典先

※"自動車運送事業のための 「働きやすい職場認証制度」 の概要」"|国土交通省|https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001578560.pdf(参照2023-01-26)

強化が予定されている認証取得によるインセンティブの内容

令和4年12月時点で、今後実施が予定されている認証取得によるインセンティブの内容は次のとおりです。

インセンティブ 監督庁 インセンティブの
内容
監査 国土交通省 「二つ星」「三つ星」※の認定事業者のうち、対面による審査を行った営業所については、長期間監査を実施していなくても監査の対象から除外される規定を整備
令和4年度
2次補正の
補助金
国土交通省 【バス・タクシー関係】
二種免許取得支援
【トラック関係】
  • テールゲートリフター導入支援
  • 予約受付システム等支援及び大型等免許取得支援
出典先

※"「働きやすい職場認証制度」認証取得によるインセンティブ」"|国土交通省|https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001578561.pdf(参照2023-01-26)

※「三つ星」は今後実施予定

制度の概要について コラム1画像

制度の概要について

2023年1月現在、「働きやすい職場認証制度」の概要は次のとおりです。

(1)対象事業者

  • トラック事業者
  • バス事業者(貸切バス事業者・乗合バス事業者の両方を含む)
  • タクシー事業者

(2)審査要件

  1. 法令遵守等
  2. 労働時間・休日
  3. 心身の健康
  4. 安心・安定
  5. 多様な人材の確保・育成
  6. 自主性・先進性等

上記の(2)審査要件のうち、1〜5を満たすことにより「一つ星」認証を取得可能です。


6.「自主性・先進性等」については、「二つ星」のみ基本的な取組み要件を満たすことが求められています。一方、「一つ星」の場合には参考点として点数化される点が「二つ星」との違いです。

(3)認証手続き

国土交通省の指定を受けた一般財団法人日本海事協会 (CLASS NK)が認証実施団体として申請受付、審査及び認証等の手続きを実施。

※書類確認、審査委員会による審査の上、認証を実施
※インターネットによる電子申請も可
※関係書類の保存義務、無作為抽出での事後確認あり

(4)料金

審査料: 5万5千円(税込)/1申請あたり

登録料: 6万6千円(税込)/1申請あたり

※書類確認、審査委員会による審査の上、認証を実施
※インターネットによる電子申請の場合、3万3千円(税込)に割引
※電子申請による「一つ星」の継続申請の場合、1万6,500円(税込)に割引

(5)認証結果等の活用

厚生労働省と連携し、ハローワークにおける求人票への記載や認証事業者と求職者のドライバーなどとのマッチング支援を検討。また、求人エージェントと連携し、先進的な取組みを広く発信予定。

認証取得のメリットコラム3画像

認証取得のメリット

車両等に認証マークの表示が可能

認証された事業者はHPで公表され、認証マークが交付されます。

職場環境の優良な企業であることをアピールが可能

求職者はもちろんそのご家族も含めた、社会に対して、従業員が快適に働ける職場づくりを実践している企業だと中立的・客観的にアピールができます。

人材採用をサポート

今後、制度の実施主体である国土交通省が厚生労働省と連携し、ハローワークにおける求人票への記載や、認証事業者と求職者のマッチング支援などが検討されています。また、求人エージェントと連携し、本制度や優良取組みを発信する事が予定されています。

企業イメージの向上

対外的にいわゆる「ホワイト企業」であることが公的に認証されるため、求職者だけでなく荷主等の取引先事業者や一般消費者からも認知が期待されます。

運転者への就職を促進する効果が期待

求職者(トラック・バス・タクシーの運転者)が認証事業者の労働条件・労働環境を容易に確認が確認できます。

取引先からの信頼性向上

取引先である荷主や旅行業者等に、自社の労働条件や労働環境の状況を中立的・客観的に示すことができます。

2022年度以降のスケジュール  コラム4画像

2022年度以降のスケジュール

認証事業者については、日本海事協会が運営するホームページの「運転者職場環境良好度認証制度認定事業所」において公表されます。ここでは、最新の認証スケジュールについて見ていきましょう。

2023年2月15日まで新規「一つ星」の追加申請が可能

前述した通り、働きやすい職場認証制度のもと認証取得によるインセンティブの内容が新しく追加になりました。そこでインセンティブ獲得の支援措置として、次のとおり期間限定で新規「一つ星」の追加申請が可能です。

申請の概要 詳細
追加申請の対象 まだ「一つ星」を取得していない事業者
追加申請期間 2023年1月16日から2023年2月15日まで
登録証書の有効期間 2023年6月1日(発行日)から2025年3月31日まで
出典先

※"働きやすい職場認証制度の新規「一つ星」の追加申請を期間限定で受付"|日本海事協会|https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001578561.pdf(参照2023-01-26)


なお申請案内書は、「申請・認証の概要(2022年度/一つ星新規)」において確認できます。

  • 法令順守等
  • 労働時間・休日
  • 心身の健康
  • 安心・安定
  • 多様な人材の確保・育成

項目毎に定められた必要点数をクリアし、「審査申込書/営業所一覧/辞任書」の3点とともに、下記のA~Fの必要書類を提出し、保管書類を用意した上で、所定の審査と登録(有償)を受けることで、2年間有効な登録証書が発行されます。

2023年2月15日まで「二つ星」新規・「一つ星」継続の申請受付中

ここでは、すでに「一つ星」認定を取得している事業者向けの申請・継続申請についてご紹介します。

申請の概要 詳細
「二つ星」
新規申請の対象
2020年度、あるいは2021年度に「一つ星」を取得した事業者
「一つ星」
継続申請の対象
2020年度に「一つ星」を申請した事業者で「二つ星」の申請をしない事業者
申請の受付期間 2022年12月16日から2023年2月15日まで
登録証書の発行 2023年6月以降、順次発送
登録証書の有効期間 2023年6月1日(発行日)から2025年3月31日まで
出典先

※"働きやすい職場認証制度の「二つ星」新規・「一つ星」継続の申請受付を開始"|日本海事協会|https://www.untenshashokuba.jp/?page_id=4063(参照2023-01-26)

2022年度以降のスケジュール  コラム5画像

認証されるには?

トラック運送事業者には馴染み深い「Gマーク(安全性優良事業所)」と同様、安全性ではなく『働きやすさ』を6つの指標で定め、トータル25(バスは26、タクシーは27)の認証項目が定められています。


6つの指標とは?

  • 法令順守等
  • 労働時間・休日
  • 心身の健康
  • 安心・安定
  • 多様な人材の確保・育
  • 自主性・先進性等

項目毎に定められた必要点数をクリアし、「審査申込書/営業所一覧/辞任書」の3点とともに、下記のA~Fの必要書類を提出し、保管書類を用意した上で、所定の審査と登録(有償)を受けることで、2年間有効な登録証書が発行されます。

  • 就業規則(10人未満の事業所は労働基準監督署の印は不要)
  • 36協定
  • 労働条件通知書
  • 安全委員会、衛生委員会等の構成員一覧、又は議事次第、議事録等(従業員の意見を聞くための機会を設けた場合はその議事録等)
  • 直近1回分の定期健康診断結果報告書(50人未満は不要)
  • 行政処分違反に対する是正措置を実施したことが確認できる書面(事業改善報告書等)

まとめ:認証取得に向け対策をはじめよう

働きやすい職場認証制度が創設されたことにより、自動車運送事業(トラック・バス・タクシー事業)の働き方や職場環境改善に向けた動きが強まっており、各運送業ごとの取組みが「見える化」されます。


これらのことにより、制度を導入されている事業者様は職場環境の優良な企業であることを、求職者や社会に対して中立的・客観的にアピールができ、制度の実施主体である国土交通省が厚生労働省と連携し、ハローワークにおける求人票への記載や、認証事業者と求職者のマッチング支援などが検討されています。


慢性化している運送業の悩みである人手不足や、長時間労働の蔓延など、労働者の高齢化が進んでいる中、新たな働き手が増えない、この状況を打破するために、働きやすい職場認証制度の活用をご検討されてみてはいかがでしょうか。


【参考】
"働きやすい職場認証制度(正式名称:「運転者職場環境良好度認証制度」)"|国土交通省|https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk1_000025.html(参照2023-01-26)
"「働きやすい職場認証制度」とは"|一般財団法人日本海事協会|https://www.untenshashokuba.jp(参照2023-01-26)
"自動車運送事業のための 「働きやすい職場認証制度」 の概要」"|国土交通省|https://www.mlit.go.jp"|国土交通省|https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001578560.pdf(参照2023-01-26)

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