Gマーク認定とは
そもそもGマークとは何か?ということについてご説明いたします。
Gマークとは、交通安全対策などの厳しい安全評価基準をクリアし「安全性優良事業所」と認められたトラック運送事業者が使用できるシンボルマークのことです。Gマークは高い評価を得たトラック事業所にのみ与えられる輸送の"安全・安心・信頼"を確保している証となります。
Gマーク制度(貨物自動車運送事業安全性評価事業)は、運送事業者全体の安全性の向上に対する意識を高めることにより環境整備を図るため、国土交通省が推進する「安全性優良事業所」の認定制度です。荷主企業や一般消費者が、より安全性の高いトラック運送事業者を選びやすくするとともに、トラック運送業界全体の安全性向上に対する意識を高めるための環境整備を図ることを目的として、平成15年度からスタートしました。Gマークは事業者の安全性が正当に認定されたことを公表する証ですので、利用者がより安全性の高い事業所を選ぶための目安となり、対外的な評価にも繋がります。
後ほど詳しくご紹介しますが、Gマークを取得するとIT点呼の導入をはじめ、違反点数の消去や基準緩和自動車の有効期間の延長等、様々なメリットがあります。Gマークを取得するためには、巡回指導を行っている適正化事業実施機関に書類を提出し、公益社団法人全日本トラック協会の審査を受けて認定を受けなければなりません。
またGマークは事業所単位で認定を出す制度のため、営業所が複数ある場合は、Gマーク認定を受けたい営業所管轄の適正化事業実施機関に申請書類を提出する必要があります。新規認定事業所についての有効期限は2年間となっており、その都度更新が必要です。
Gマーク認定の取得状況(2022年12月現在)
ちなみにGマークの制度は平成15年度(2003年)から始まり、2023年には創設から20年という節目の年を迎えることになります。2022年12月現在、Gマーク認定されている安全性優良事業所は次のとおりです。
全国 | Gマーク認定 | 認定率 | |
---|---|---|---|
事業者数 | 62,844社 | 12,866社 | 20.5% |
事業所数 | 87,033 事業所 |
28,696 事業所 |
33.0% |
運送トラック数 | 1,458,419両 | 750,846両 | 51.5% |
※全国運送トラック数のみ2021年3月のデータ
安全性優良事業所の数は28,696事業所あり、全事業所の33.0%です。それだけレベルの高い制度なのですね…
ただし車両の台数ベースでは、5割以上がGマーク認定を取得しています。つまり緑ナンバーのトラックの2台に1台はGマークを付与されていることになり、制度の普及が進んでいるといえるでしょう。
評価項目(2023年度)
では、Gマーク取得の対象になる基準は何でしょうか?
Gマークは3つの評価項目と4つの認定要件をもとに認定されます。
項目 | 点数 | 内容 |
---|---|---|
安全性に対する法令の遵守状況 | 配点40点 (基準点数32点) |
巡回指導結果 運輸安全マネジメントの取組状況 |
事故や違反の状況 | 配点40点 (基準点数21点) |
重大事故・行政処分状況 |
安全性に対する取組の積極性 | 配点20点 (基準点数12点) |
安全対策会議の実施、運転者の教育などの取り組みの自己申告事項 |
2023年度からの変更点
2023年度から、評価項目や配点、および申請の取り扱いについて一部変更が実施されます。
「評価項目I安全性に対する法令の遵守状況」における変更点は、次のとおりです。
- 「小項目」の配点を一部変更
- 「運輸安全マネジメント」の評価が申請書類から巡回指導結果による評価へ変更
「評価項目III安全性に対する取組みの積極性」においては配点が21点から20点に変更になったほか、自認項目は4つのグループに分けられ、各グループから得意項目を選択できるようになりました。
また全日本トラック協会は2023年度から、6回目更新を迎える事業所を「長期認定取得事業所」としてさらなる差別化を図ります。20年間もの長きにわたり輸送における安全運行を実現している実績に敬意を払い、「評価項目III安全性に対する取組みの積極性」においては挙証書類提出を原則不要とするなど申請手続きが簡素化される見込みです。
また通常のステッカーとは異なる「ゴールドステッカー」の付与が検討されています。
認定要件
従来の認定要件は次のとおりです。
- 上記1〜3の評価連数の合計点が80点以上
- 上記1〜3の各評価項目において上記の基準点数以上
- 法に基づく認可申請、届出、報告事項が適正になされていること
- 社会保険等の加入が適正になされていること
2023年度のGマーク認定の詳細は、令和5年4月中旬以降に公表される申請案内をご確認ください。
Gマーク申請の流れ
ここでは、Gマーク申請のおおまかな流れをご紹介します。
- 添付書類の作成
Gマーク申請には、点呼簿・事故記録簿・運転日報など、安全対策の実施を証明する添付書類が必要です。事前に準備しておくことをおすすめいたします。 - 申請書の入手と作成
Web上で申請書を作成する「申請書作成システム」もしくは「複写式申請書」を入手して、申請書を作成します。 - 申請受付
申請書の受付期間は毎年7月初旬から中旬までです。原則、申請書は各都道府県トラック協会窓口にて受理されます。申請方式の特例申請のうち、「D」方式が2023年度から廃止されますので注意してください。
なお2021年と2022年度に関しては、新型コロナウイルス感染拡大防止のための特例措置により、郵送での申請書類の提出が可能でした。2023年度については、インターネットによる申請書の作成が可能になり、4月中旬以降に特別措置の有無が公表される見込みです。
Gマーク申請にかかる費用
Gマーク申請にかかる費用は申請書の作成方法により異なります。
- Web上で申請書を作成する「申請書作成システム」による申請【無料】
申請書作成システムを使用してWeb上でGマーク申請書を作成した場合、申請費用は無料です。全国トラック協会ホームページ内の「GマークWeb申請書作成ページ」で作成することができます。 - 紙の「複写式申請書」による申請【申請書実費1,000円(税込)】
紙の複写式申請書に手書き記入して申請書を作成した場合、申請書実費として1,000円(税込)が必要です。紙の申請書は配布期間が決まっており、毎年5月初旬~6月末となります。紙の申請書でGマーク申請をご検討の方はお早めに書類を入手することをおすすめいたします。
※Web上での申請受付はできませんのでご注意ください。
※2023年度の申請案内は、2023年4月中旬以降に公表される見込みです。
Gマーク認定までの流れ
Gマーク申請の結果が発表されるまでの期間は約5ヶ月です。Gマーク認定事業者の発表は11月下旬に全国トラック協会のホームぺージに掲載されます。また、評価結果は12月中旬に申請者へ郵送されます。
Gマークの有効期限
Gマークには有効期間があります。Gマークを新規で取得した営業所の場合、有効期限は2年です。更新年度になると、全国トラック協会より「Gマーク認定の更新のご案内」のはがきが郵送されますので、更新手続きを忘れないようにしましょう。