
ロボット点呼(自動点呼)とは?
自動点呼とは、運行管理者が不在でも自動的に点呼を行うシステムのことです。その中で「ロボット点呼」は、自動点呼の一つの形式として注目されています。
現在、点呼は運行管理者と運転者が対面で、もしくは対面と同等の環境下(ビデオ通話利用時など)で行うことを原則としています。しかし、この方法では運行管理者が事業所等に常駐しなければならず、人手不足に悩む企業にとっては大きな負担となっています。
そこで、近年進歩が著しいAI等を活用した点呼の自動化が進められています。とくに、運行管理者の負担を軽減しつつ、「点呼は人と人が直接行う」という従来のイメージを保てるロボット型機器を使った点呼が注目されています。
ロボット点呼と自動点呼の違いは?
ロボット点呼は自動点呼に使用する機器がロボット型というだけで、ロボット点呼と自動点呼の内容に違いはありません。世間では自動点呼はロボットを使うものというイメージが浸透していますが、国土交通省はロボット点呼という呼び方はしません。これには、以下の理由が考えられます。
- 「ロボット点呼」は株式会社ナブアシストの登録商標である
- 国としては、ロボット以外の手段による自動点呼も検討している
この点を知らないと世間ではロボット点呼が話題になっているのに、国はロボット点呼に関する情報をまったく発信していないと勘違いする可能性があるので注意しなければなりません。
ロボット点呼(自動点呼)とIT点呼の違いは?
ロボット点呼とIT点呼の違いは「管理者と運転者の位置関係」「点呼時の管理者の立ち合いの必要性」にあります。
簡単にまとめましたので違いをご確認ください。
左右にスライドすると画像を見ることができます。
管理者と運転者の 位置関係 |
管理者の 立ち合いの必要性 |
|
ロボット点呼 | 運転者がロボットと対面で行う場合に限る | 不要 |
IT点呼 | 対面、遠隔地のいずれも可能 | 要 |
ロボット点呼(自動点呼)が認められているのは業務後自動点呼のみ
2024年9月現在、自動点呼は業務後に限って認められています。
運行の可否など判断項目が少なく導入のハードルが低いことから、まず2022年12月から業務後において国土交通省の認定を受けた自動点呼機器に限り、届け出を行うことで利用可能となりました。
業務前については2023年に実証実験の実施後、本格運用を見据えて2025年3月まで先行実施が行われている状況です。
本来、自動点呼は業務前と業務後の両方を無人で行えて初めて意味を成すものといえます。
現状の自動点呼は発展途上段階で、最終目標である「完全無人化」にはまだ時間がかかる見通しです。
【注意】
2023年3月31日付で「乗務後自動点呼実施要領」が廃止となり、4月1日に「業務後自動点呼実施要領」が施行されました。
【参考】:業務後自動点呼機器認定要領について|国土交通省(参照2024-10-22)
「乗務後」→「業務後」と表記が変わっているのでご注意ください。
「乗務後」と表記された情報は古い可能性があります。